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平成15年頃より都心商業地の地価は値上がりし、平成19年7月に価格のピークをつけ、その後の地価の大暴落を招き、多くの不動産業者、マンション業者を倒産させ、Jリートの上場企業の幾つかも倒産させた。人はそれを「不動産ファンドバブル」という。
その「不動産ファンドバブル」の引き金になった都心商業地地価も、暴落に暴落を重ねたが、その土地価格は最近底を打ったのではなかろうかと思われる。
財団法人土地総合研究所(理事長 照井利明)が発表している「不動産業業況指数」(不動産業DI値)の、不動産流通業の住宅地、商業地のDI値の数値を見ると、都心商業地の地価は、底打ちしたのではないかと思われる。
下記に平成21年からの同研究所が発表している指数を記す。
住宅地 商業地
平成21年01月1日時点 -69.4 -80.0
平成21年04月1日時点 -60.6 -
平成21年07月1日時点 -51.4 -55.0
平成21年10月1日時点 -52.1 -
平成22年01月1日時点 -47.9 -55.0
平成22年04月1日時点 -25.3 -
平成22年07月1日時点 -31.7 -5.6
商業地は平成22年1月1日のDI値が−55.0であったのが、6ヶ月後の7月1日には−5.6である。DI値0に近づいている。7月1日の6ヶ月後、即ち平成23年1月1日の予想DI値は16.7となっている。0を突破して、プラスになっている。16.7の数値を割り引いて考えても、0を突破していることは充分予測出来る。
DI値が0を突破することは、何を意味するかといえば、不動産業の業況が良くなったという業者の方が多数を占めることになる。それは不動産業として利益が出る業者が多くなることである。
そのことは土地価格で考えると、土地価格が底を脱して上昇に転じたということにつながる。
つまり都心商業地の土地価格は、底を打ったといえることになる。
住宅地は未だDI値0にはならないことから、底を打っていないといえる。
DI値が0の時、土地価格は最高値若しくは最低値とどうして推測出来るか。
それはある関数の導関数が0の数値をとる時は、その元となる関数の値は最大若しくは最小となる。
DI値を導関数と見れば、右下がりでDI値0の場合は土地価格は最高値、右上がりでDI値0の場合は土地価格は底値を形成したと考えられる。
この理論より、本件の場合、東京の商業地の地価は底を脱したと判断する。
下記にDI値の過去からのグラフを掲示する。
そのグラフから各自、自分なりに土地価格の動向を推理推測してみたらどうだろうか。
グラフの2007年(平成19年)7月の縦線は、2007年7月のファンドバブルの破裂を意味する線である。
鑑定コラム507)「不動産業の業況の分水嶺は2007年7月だった」
鑑定コラム615)「『土地総合研究』掲載の「的中した土地総研のDI値」という論文」
鑑定コラム944)「 商業地価は底(2012年7月)」
鑑定コラム1261)「 東京都財務局の土地価格データ」
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