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国土交通省(土地・水資源局 土地市場課)が発表した『平成21年度 定期借地権付住宅地の借地実態調査報告書(平成22年3月)』によれば、平成5年より始まった定期借地権付住宅は、平成21年までに累計で73,808戸である。
その各年の供給戸数を記すと、下記のとおりである。
平成05年 261戸
平成06年 2,272戸
平成07年 3,875戸
平成08年 5,078戸
平成09年 3,879戸
平成10年 4,517戸
平成11年 5,564戸
平成12年 5,840戸
平成13年 5,790戸
平成14年 5,332戸
平成15年 5,315戸
平成16年 4,163戸
平成17年 4,361戸
平成18年 2,622戸
平成19年 5,195戸
平成20年 7,206戸
平成21年 2,461戸
当初2,3年はともかくとして、各年5,000戸程度の供給で推移して来た戸数が、平成18年に突然2,600戸台になった。
そして平成20年には7,200台と今迄の最高供給戸数を示した。
しかし翌年の平成21年には、一気に2,400台に激減する。
この平成18年以降の定期借地権付住宅の激増、激減現象は、なにが原因しているものなのか。
同報告書は、定期借地権付住宅を戸建住宅の定期借地権と分譲マンションの定期借地権とに分けてデータ分析している。
一部項目については、賃貸マンション・アパートの定期借地権付住宅について統計分析している。
分析項目で興味を引くものは、地代、土地価格に対する地代割合、周辺の定期借地権付で無い戸建住宅、分譲マンションとの価格の比較についての分析内容である。
定期借地権付住宅の地代については、下記のとおりである。
戸建住宅 月額 27,321円
分譲マンション 月額 13,809円
賃貸マンショ・アパート 月額 27,013円
土地価格に対する定期借地権付の地代の割合は、如何ほどか。
この割合については、
戸建住宅 1.2%
分譲マンション 1.8%
である。
この内、戸建住宅の地代割合について、地域による割合を記すと、下記のとおりである。
首都圏 1.1%
中部圏 1.2%
近畿圏 1.3%
その他地域 1.1%
平均 1.2%
定期借地権付で無い戸建住宅、分譲マンションとの価格差については、次のごとくである。
定期借地権付戸建住宅 56.7%
定期借地権付分譲マンション 80.8%
定期借地権付戸建住宅の価格は、そうでない一般の土地所有権の戸建住宅の価格の56.7%である。つまり△43.3%安いということである。
定期借地権付分譲マンションは、そうでない一般の土地所有権の分譲マンションの価格の80.8%である。つまり△19.2%安いということである。
定期借地権付戸建住宅、定期借地権付分譲マンションというのは、
保証金+権利金+住宅価格=合計した価格
である。
一般の土地所有権の分譲マンションの価格に対する、定期借地権付分譲マンション価格の価格割合の頻度割合をみると、下記のとおりである。
50%未満 5.1%
50〜60%未満 5.1%
60〜70%未満 8.9%
70〜80%未満 34.8%
80〜90%未満 26.6%
90%以上 19.6%
最頻度のランクは、70〜80%未満の台である。
90%以上のものが、19.6%と20%近くあることに、私は驚く。
90%以上の価格で定期借地権付マンションを売っていたら、定期借地権の価格安メリットを分譲業者が懐にいれているということであり、定期借地権マンションは価格が安いというイメージがなくなり、そのうちにそれらマンションは売れなくなるであろう。
マンション業者は、自分で自分の首を絞めていることになる。
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