○鑑定コラム


フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ

前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ

848)家賃利回りを超える地代利回りの地代鑑定に驚愕

 不動産鑑定士ょ、しっかりせよと言いたい不動産鑑定に出くわした。

 地代の鑑定である。
 地代の利回りが、家賃の利回りを超えて求められている地代鑑定である。
 前にもこうした地代鑑定書があって、地代鑑定の利回りの求め方に警告を出したが、全く同じ様な誤りを繰り返している。

 当鑑定コラムを読んでおれば、それは誤りと分かるのであるが、その不動産鑑定士は、当方のこの鑑定コラムを読んでいないようである。情報閉鎖の不動産鑑定士であるようだ。

 情報閉鎖して唯我独尊も良いが、下手すると不当鑑定で国交省に措置請求されるかもしれない内容のものを、情報閉鎖していてどうするのかと私は云いたい。

 地代の利回りが、家賃の利回りを越えることなどあり得ない。

 その様なことが生ずれば、経済秩序が乱れる。

 経済秩序が乱れる不動産鑑定書が、地裁の鑑定人の鑑定書として登場してきた。
 これには驚愕する。

 その地代鑑定書は、地代を次のごとく求める。

   更地価格×5%=実質地代
   実質地代−実際地代=差額
   1/2差額+実際地代=差額配分法地代

 求められた差額配分法地代は、実際地代の3倍近い地代である。

 固定資産税・都市計画税の公租公課、地価、物価が下落している時にも係わらず、地代が大幅に値上がりするという鑑定である。

 裁判所の鑑定人鑑定にたいしては、地代訴訟担当の裁判官は無条件で信頼し、ほぼその金額で判決を下す。

 裁判官の判断は、法治国家であることから尊重する。
 しかし、更地価格に5%の利回りで求めた地代が適正として、それを前提に地代判決されては、借地人はたまったものでは無い。
 無茶高の地代となる。

 家賃あっての地代である。
 当該地にアパートを想定して、その家賃より土地利回りを求めると3.8%であった。

 この3.8%は家賃利回りである。

 裁判鑑定の地代利回りは、家賃利回りを超える5%である。
 無茶苦茶である。

 家賃利回り3.8%も、これより建物に属する利益、そして借地権に属する利益を控除することから、地代利回りは1.0%前後の利回りとなる。

 この様にして求められた利回りが、経済価値に即応した地代利回りである。

 家賃利回りを遙かに超えた5%の地代利回りで地代を求めるなど、論外の鑑定である。

 挙げ句に、「5%」の根拠の説明が一切無い。

 いきなり利回り5%の数値が出て来て、更地価格に乗じられている。

 「どうして5%の利回りなのか。」

と、その算出過程の合理的根拠を聞きたくなる。

 借地権は発生するが、借地権価格は原則発生しない定期借地権の地代利回りは、1.2〜1.8%である。

 旧借地法適用の借地権の地代の場合、借地権価格というものが発生している。

 その権利価格を考えれば、借地権の権利価格が原則発生しない定期借地権の地代利回りよりも低い利回りになる。

 5%が地代利回りとしている不動産鑑定士は、定期借地権の地代の評価を一度も行ったことが無いのではなかろうか。
 又、その地代利回りがどういう水準にあるのかも全く知らないのでは無かろうか。

 地代利回りの求め方も知らず、その利回り水準がどれ程かも分からず、地代評価をするとは。
 困ったことだ。

 
  鑑定コラム268)
「定期借地権の地代」

  鑑定コラム812)「定期借地権付戸建住宅の地代は地価の1.2%(国交省調査)」

  鑑定コラム296)「家賃の利回りを大幅に上回る驚くべき地代利回り」

  鑑定コラム837)「リスク数値の説明が出来ずに積み上げ利回りを使用する不動産鑑定」

  鑑定コラム1273)「鑑定基準に「賃貸事業分析法」という新しい地代手法が導入された」

  鑑定コラム1367)「住宅地代利回り 0.84%」


フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ

前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ