○鑑定コラム


フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ

前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ

1282)不動産業の業況が少しおかしいぞ 4  土地総研と野村アーバン

 DI値分析を見る。

 野村不動産アーバンネット株式会社(東京新宿区 社長宮島青史氏)が、平成26年10月7日に、平成26年10月1日時点の東京23区住宅地67地点の土地価格を発表した。

 それによると、直近3ヶ月間(平成26年7月1日〜10月1日) の地価変動率は、

                      +1.3%

である。直近1年間は、+4.0%である。

 ここで、

     業況が良い = 土地価格が上昇している
     業況は同じ = 土地価格は同じ
     業況が悪い = 土地価格は下落している

とみなして、野村不動産アーバンネット発表土地価格より、土地価格DI値を算出する。

 平成26年7月1日〜10月1日の間の地価変動の状況は、下記である。

           上昇         30地点
           価格同じ          37地点
           下落        0地点

 土地価格DI値を求めると、

               30−0
           ───── ×100 = 44.8                               
                67

+44.8である。

 過去の分析された土地価格DI値は、下記である。

     2012年 4月    ▲15.5
    2012年 7月    ▲20.7
    2012年10月    ▲8.6
    2013年 1月      0.0
    2013年 4月      29.3
    2013年 7月      46.6
    2013年10月      15.5
        2014年 1月         41.4
        2014年 4月         22.4
        2014年 7月         20.7
        2014年10月         44.8

 2013年1月にDI値が0.0になった以後、野村不動産アーバンネット調査の土地価格から分析される土地価格DI値は、プラスである。

 一方、国土交通省の関係団体である一般財団法人土地総合研究所(東京港区 理事長藤田博隆氏 以下「土地総研」と呼ぶ)は、2014年11月19日に、平成26年10月分の『不動産業業況調査結果』を発表した。

 不動産流通業(住宅地)の業況DI値は、

                 −6.8

と発表した。マイナスのDI値となった。

 過去の不動産流通業(住宅地)の業況DI値は、下記である。

      平成24年10月     −20.8
           平成25年1月            −5.3
           平成25年4月       16.4
           平成25年7月       12.5
           平成25年10月       2.4
           平成26年1月        9.1
           平成26年4月        6.7
           平成26年7月        0.7
           平成26年10月      −6.8

 プラスのDI値の状況から、0を切ってマイナスのDI値になるということは、業況は、ピークを過ぎて下降傾向に入ったということである。

 過去の不動産流通業(住宅地)の業況DI値の動きと、土地価格の動きとは、ほぼ連関している。

 このことから、土地価格はピークを過ぎて下落していると云うことを示す。

 土地総研のアンケート調査の結果では、土地価格はピークを過ぎて下落傾向になったことを示すが、野村不動産アーバンネットの土地価格調査では、半分近くの土地の価格が、3ヶ月で1.3%と僅かであるが上昇している。

 2つの調査から土地価格は、同じ方向を向いていなく、相反する方向を示す。

 この状況は、土地価格はせめぎ合いをしている状況と思われる。

 私は、土地総研の調査結果を重視し、現在の土地価格即ち土地価格のリートバブルは、ピークを過ぎたと判断する。


  鑑定コラム1281)
「不動産業の業況が少しおかしいぞ 3  新築マンション価格」

  鑑定コラム1278)「不動産業の業況が少しおかしいぞ 2」

  鑑定コラム1275)「不動産業の業況が少しおかしいぞ」

  鑑定コラム1279)「10兆円を越えなくてよかった」

  鑑定コラム1280)「Jリートの取得件数、取得金額が大幅に縮小している」

  鑑定コラム1289)「不動産業の業況が少しおかしいぞ 5  住宅ローン貸出額」

  鑑定コラム1423)「不動産流通業(住宅地)の業況DI値は2期連続マイナス」


  

フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ