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不動産業者の新規融資が、10兆円を越えなくてよかった。
日本銀行が、2014年11月19日に、業種別貸出先別貸出額(四半期 9月)を発表した。
国内銀行の2014年7月〜9月の不動産業の新規貸出額は、
25,410億円(2兆5410億円)
であった。全体貸出額は10.3041兆円であり、不動産業の占める割合は、24.7%である。
2013年10月〜2014年9月までの不動産業への1年間の貸出額は、
2013年10月〜12月 21,495億円
2014年1月〜3月 31,334億円
2014年4月〜6月 18,135億円
2014年7月〜9月 25,410億円
計 96,374億円
9.63兆円である。
10兆円の手前で足踏みしている。
貸出す銀行は、本能的に融資額全体が危険水域に入っていると感じているのか知らないが、不動産業への融資にためらいが生じていると思われる。
それは、当該四半期を含めた直前1年間の不動産業への融資額の推移を見れば、それが伺える。
2013年1月〜2013年12月 95,488億円
2013年4月〜2014年3月 96,917億円
2013年7月〜2014年6月 96,749億円
2013年10月〜2014年9月 96,374億円
2014年3月の9.69兆円をピークにして、当該四半期を含めた直前1年間の融資額は、少しずつ減少している。
2014年9月直前1年間は10兆円に届かないが、2014年10月〜12月の融資額が増えれば、2014年1年間では、10兆円を超えるのではないのかと云う疑問が生じる。
しかし、過去の経緯から見ると、10月〜12月の年第4四半期の融資額は、7月〜9月の年第3四半期の金額を超えていない。
このことから、年の第4四半期の金額が、年の第3四半期の金額をこえることは無いと判断される。
それは、下記のとおりである。
2011年7月〜9月 19,925億円(評点100)
2011年10月〜12月 18,603億円(評点93.4)
2012年7月〜9月 22,755億円(評点100)
2012年10月〜12月 17,701億円(評点77.8)
2013年7月〜9月 25,785億円(評点100)
2013年10月〜12月 21,495億円(評点83.4)
第4四半期の貸出額は、第3四半期の貸出額の0.778〜0.934である。
このことから2014年10月〜12月の貸出額は、
25,410億円×(0.778〜0.934)=19,767億円〜23,733億円
と推定される。
2014年1月〜3月 31,334億円
2014年4月〜6月 18,135億円
2014年7月〜9月 25,410億円
小計 74,879億円
2014年1月〜12月の1年間の貸出額は、
74,879億円+(19,767億円〜23,733億円)=94,646億円〜98,612億円
となり、10兆円を超す事はない。
リートバブルは、破裂せずに、このままゆっくりと幕を閉じて行って欲しい。
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