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1289)不動産業の業況が少しおかしいぞ 5  住宅ローン貸出額

 鑑定コラム1288)で、住宅ローンの平成25年度の市場規模は、約20兆円と分析した。

 そして、その内の72%が国内銀行によるものであると述べた。

 これより、国内銀行の動きが、住宅ローンに大きく影響を与えると判断できる。

 住宅ローンの動向を探るには、国内銀行の住宅ローンの新規貸出額を見る必要がある。

 住宅金融支援機構の調査(以下同じ)によれば、国内銀行の平成25年度の新規住宅ローン貸出額は、

               148,925億円(14兆8925億円)

である。

 国内銀行の住宅ローンの市場規模は、14兆円程度である。

 国内銀行の過去の年度の住宅ローンの新規貸出額及び対前年比は、下記である。

             年度              新規貸出額           前年比

   平成17年度(2005年度) 177,549億円 +7.8%    平成18年度(2006年度) 156,631億円 -11.8%    平成19年度(2007年度) 147,748億円 -5.8%    平成20年度(2008年度) 148,443億円 0.5%    平成21年度(2009年度) 143,166億円 -3.6%    平成22年度(2010年度) 131,808億円 -7.9%    平成23年度(2011年度) 134,165億円 1.8%    平成24年度(2012年度) 145,248億円 8.3%    平成25年度(2013年度) 148,925億円 2.5%

である。

 平成23年度から上向き、増加している。

 最近の四半期の金額は、下記である。

    平成25年1月〜3月         42,220億円
    平成25年4月〜6月         33,639億円
    平成25年7月〜9月         37,163億円
    平成25年10月〜12月       34,098億円
    平成26年1月〜3月         44,025億円
    平成26年4月〜6月         27,807億円


 平成26年6月を含めた直前1年間の国内銀行の住宅ローン貸出額は、143,093億円である。平成25年度1年間の貸出額に比して、

          143,093億円
                  ──────  ≒ 0.96                            
                    148,925億円

▲4%の減少である。

 直前四半期を検討してみる。

 平成26年4月〜6月は、2兆7807億円である。
 前年同期に対して、

               27,807億円
             ──────    = 0.827                              
               33,639億円

▲17.3%の大幅減である。

 住宅ローンの伸びに、ストップがかかったようである。

 これは、消費税8%増税(平成26年4月1日より5%から8%になった)の影響によるものか。

 これが一時的なものかどうかは、私には分からない。

 ▲17.3%の大幅減の事実は、不動産業への消費税増額の影響の数値として、充分な実証データになろう。

 そしてまた、消費税が10%になる場合の実証データにもなるではなかろうか。


  鑑定コラム1288)
「住宅ローンの市場規模は20兆円」

  鑑定コラム1282)「不動産業の業況が少しおかしいぞ 4  土地総研と野村アーバン」

  鑑定コラム1281)「不動産業の業況が少しおかしいぞ 3  新築マンション価格」

  鑑定コラム1278)「不動産業の業況が少しおかしいぞ 2」

  鑑定コラム1275)「不動産業の業況が少しおかしいぞ」

  鑑定コラム1279)「10兆円を越えなくてよかった」

  鑑定コラム1280)「Jリートの取得件数、取得金額が大幅に縮小している」

  鑑定コラム1307)「不動産業の業況が少しおかしいぞ 6  日銀不動産業DI値」


  

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