○鑑定コラム
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不動産ファンドバブルの土地価格は、平成19年7月で天井を打ち、その後に地価は大幅に下落した。
この事については、私は論文を書き、鑑定コラムにも記事を書いている。
ではビル賃料はどうだったのか。
ビル賃料については、今迄あまり検討してこなかったが、過日の鑑定コラム971)「東京住宅家賃のDI値は−13.7(平成24年10月)」の記事の最後の方で、少し触れた。
平成20年7月が天井であったと。
再記すると、前記土地総研の「成約賃料動向」のDI値調査によれば、
平成20年4月 +9.5
平成20年7月 +9.1
平成20年10月 −25.0
平成21年1月 −30.4
平成21年4月 −45.5
である。
DI値は、平成20年7月に+9.1を付けると、平成20年10月には−25.0となる。
即ち0を切っている。
DI値が右下がりの状態で0を切ると云うことは、天井を打ったということであり、平成20年7月が天井であったと云うことである。
不動産ファンドバブルの天井は、
商業地価 平成19年7月
ビル賃料 平成20年7月
である。
両者の間には12ヶ月のタイムラグがある。
ビル賃料は、地価よりも12ヶ月遅れて動移していると云える。
これは、賃料の遅行性の実証データと言えよう。
平成バブルの土地価格と賃料の関係は、鑑定コラム279)「事務所賃料の底は2006年1月か」の記事で、次のごとく述べている。
「賃料下落するときは、土地価格下落の2年後
賃料上昇するときは、土地価格上昇の4年後」
と。
不動産フアンドバブルでは、賃料下落は、土地価格下落の1年後であった。
この期間の違いは、平成バブルに比して、不動産ファンドバブルは規模が小さかったことによるのではないかと私は推測する。
不動産ファンドバブル崩壊後5年、土地価格はずっと下がってきた。
その下落も、今年(平成24年)の7月に底を打った。
すぐには反転しなく、しばらく横ばい状態が続くかもしれないが、下げ止まった。
となると、ビル賃料はいつ下げ止まることか。
半年後か。1年後か。それとも2年後か。
鑑定コラム971)「東京住宅家賃のDI値は−13.7(平成24年10月)」
鑑定コラム279)「事務所賃料の底は2006年1月か」
鑑定コラム944)「商業地価は底(2012年7月)」
鑑定コラム507)「不動産業の業況の分水嶺は2007年7月だった」
鑑定コラム1106)「丸の内のビル賃料は土地価格と4年のタイムラグ」
鑑定コラム1316)「渋谷の事務所賃料が年6%と値上り始めた」
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