2.1倍である。
「2.1倍・・・、待てょ、高いのでは無いか?」
と私は、記事を読んで思った。
営業利益を7%とすると、29億円の売上高では、
29億円×0.07=2.03億円
の営業利益である。
この営業利益金額で、購入価格61億円を回収するには、
61億円÷2.03億円≒30
30年かかる。30年間利益0円で、投下資本の回収のみである。その間設備の更新費という新たな投下資本を必要とする。
その様な経済行為を、経済人は行うであろうか。
北陸ガスと柏崎市ガス事業の財務諸表はないか調べて見た。
北陸ガスは平成28年3月期、柏崎市ガス事業は平成27年3月期の財務諸表が、ネットで公表されており得られた。
下記である。単位百万円。
北陸ガス 柏崎市ガス事業
売上高 33,393 3,178
営業利益 1,349 ▲247
有形固定資産 34,730 9,280
柏崎市ガス事業は売上高31.78億円であるが、営業損失は▲2.47億円である。有形固定資産は92.8億円である。
北陸ガスは売上高333.93億円、営業利益は13.49億円である。営業利益率は、
13.49億円
─────── = 0.040
333.93億円
この営業利益率で考えると、北陸ガスが売上高29億円(日経記事の29億円を採用して論じる。以下同じ)の柏崎市ガス事業を引き受けた場合、北陸ガスの経営方針に従うことになり、4.0%の営業利益の確保が義務づけられることになる。
そうした場合の予想される営業利益は、
29億円×0.04= 1.16億円
である。
購入金額61億円の回収年は、
61億円÷1.16億円≒53
53年となる。
53年という長期間の投下資本の回収という買収は、企業経営上大丈夫か。
北陸ガスの売上高と有形固定資産の関係を見る。
売上高に対する有形固定資産の割合は、
34,730
───── = 1.04
33,393
1.04である。
有形固定資産が時価評価されているとすれば、それは市場価値を現しており、売買価格相当ということになる。
北陸ガスの会社規模を中規模の都市ガス企業とみなせば、中規模のガス事業の売買価格は、有形固定資産額相当と云うことになる。大規模の東京ガスについては、後記で分析する。
柏崎市ガス事業の適正な売買価格は、どれ程かと云えば、購入者である北陸ガスの営業利益率を採用して営業利益率4%とすれば、その金額は1.16億円である。その25年分とすると、
1.16億円×25≒29億円
29億円程度と判断される。
柏崎市ガス事業の有形固定資産は、92.8億円であるが、売上高より検討すれば、甚だ過大であり、売上高程度の29億円程度の資産価値と判断される。
日本の都市ガス事業会社の第一人者である東京ガスの財務諸表は、下記である。単位百万円。