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1746)平成元年の住宅ローン元利均等償還テーブル

 住宅ローンを年金利0.8%で借りた場合、期間20年の月額返済額はどれ程かを計算する必要が生じた。

 住宅ローンの月額返済の償還率一覧は、私の本棚にある『新元利均等償還金テーブル(住宅ローン必携)』日債銀総合システム株式会社編(社団法人金融財政事情研究会)を利用すれば求められると思い、本棚の同書を取り出した。

 0.8%の利率を捜しても、同書にはその利率の償還率が記載されていない。

 償還率が記載されているのは、年利率1.92%からである。

 同書の奥付の発行日を見てみた。

   第1刷   昭和53年1月14日
   第15刷     平成元年6月28日

であった。

 私の手許にある住宅ローン償還率テーブルは、30年前の発行のものであった。

 償還率テーブルとはどういうものかと云えば、利率0.02%刻みで、返済月回数360回月までの各回月の償還率が、小数点14桁まで記されている書籍である。

 賞与時返済も60回の場合の償還率が記されている。

 借入金額に、記されている償還率を乗じれば、月額返済額が計算出来る。

 そうした償還率のみが記されている書籍で、私の手許にある償還率テーブルの書籍は、ページ数は609ページあり、A5版サイズで、厚さは約3cmのものである。

 平成元年の頃では、住宅ローンの金利として1.92%未満の金利の償還率は必要性がないと判断されたので、1.92%未満の償還率が掲載されていなかったと推測される。

 では、その頃の住宅ローン金利はどれほどであったか。

 6%台から8%台と急激に住宅ローン金利が上昇していた時期である。

 28年前の1990年(平成2年)10月は、ここ30年間で最高の8.28%の住宅ローン金利(変動)となった。

 但し、この住宅ローン金利は長く続かなかった。

 平成2年は、平成バブルのピークである。平成5年にはバブルは崩壊し、地価は大幅に下落する。

 そして、その後の「失われた20年」と呼ばれる時代が続くことになる。

 住宅ローン金利も、大巾地価下落と共に大巾に低利となる。

 これらから考えれば、現在の0.8%の住宅ローン金利は、如何に低金利の状態にあるかが分かろう。

 手持ちの償還率テーブルからでは、0.8%の住宅ローンの月額返済額を求めることが出来ないため、算式を使って年間元利均等償還率を算出し、その償還率を使って年間の返済額を求め、それより月額返済額を求めることを試みた。

 元利均等償還率の算式は、年利をr、年数をnとすると、下記の算式である。

       r(1+r)のn乗
         ─────────                                           
            (1+r)のn乗−1

 元利均等償還率の算式は、下記記述のものもあるが、下記式を変型すれば、上式になる。

 上記式と下記式は同じである。本稿は、上記式を使用して論ずる。

             r
            ────────────                               
                  1              
                1− ────────                                
                       (1+r)のn乗

 年金利0.8%、期間20年の元利均等償還率は、下記の通り求められる。

 分子は、r(1+r)のn乗=0.008×((1+0.008)の20乗)=0.008×1.172764=0.009382112 である。

 分母は、(1+r)のn乗−1=1.172764−1=0.172764 である。

 元利均等償還率は、

            0.009382112÷0.172764=0.05430594

である。

 1000万円の住宅ローンとすれば、年間返済額は、

           1000万円×0.05430594=54.30594万円

である。

 月額返済額は、

         54.30594万円÷12=4.5254955万円≒45,255円

45,255円と求められる。

 上記は、年間償還率から求めた月額返済額である。

 月間償還率から月額返済額を求めることは出来ないか。以下にそれを述べる。

 年利0.8%は、月利では、0.008÷12=0.00066667 であるから、rを0.00066667とする。

 20年返済の月数は、20×12=240であるから、n=240とする。

 rとnの数値を0.00066667、240として、上記元利均等償還率の算式のrとnに代入し計算すると、月間償却率が求められる。

 月額返済額の分子は、r(1+r)のn乗=0.00066667×(1+0.00066667)の240乗=0.00066667×1.173449251=0.00078230341 である。

 月額返済額の分母は、(1+r)のn乗−1=1.173449251-1=0.173449251 である。

 月額返済額の元利均等償還率は、

            0.00078230341÷0.173449251=0.00451027263

である。

 1000万円の月額返済額は、

             1000万円×0.00451027263=4.51027263万円≒45,103円

45,103円である。

 求めた返済額をまとめると、下記である。

        年間均等償還率で計算した場合     45,255円
        月間均等償還率で計算した場合          45,103円

 両金額に違いが生じてしまった。

 銀行は月間均等償還率の方の金額を採用しているようである。

 上記のごとくの面倒くさい計算などせずに、ネットを捜せば、容易く元利均等計算をしてくれるホームページがある。

 そのホームページの計算空欄に、借入金額1000万円、借入年金利0.8%、返済期間20年と入れれば、月額返済額45,103円と即時にモニターに金額が表示される。

 便利になったものである。それは、上記の計算過程を計算するパソコン言語のソフトが、当該ホームページにあるためである。

 とはいえ、元利均等償還率の求め方の基本は、しっかりと身につけていた方が良い。rとnの数値を変えて、一度自分で計算してみることである。

 20乗とか240乗の計算などは、手計算では不可能である。パソコンでエクセルのPOWER関数を使えば、たちどころに求められる。


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