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1782)不動産業への貸出減は続く

 日本銀行が、2018年5月17日に、2018年第1四半期(2018年1月〜3月)の貸出先別貸出額を発表した。

 2018年1月〜3月の間の国内銀行の不動産業への新規貸出額は、3兆4655億円であった。

 前年同期は、3兆7875億円(発表時は3兆7831億円であったがその後訂正された)であった。前年同期比で▲3220億円の減である。率にすれば▲8.5%のダウンである。

 2018年3月直近1年間(2017年6月〜2018年3月)の国内銀行の不動産業への貸出先別貸出金額は、下記である。(四半期発表金額がその後訂正されているのもある。)


             2017年06月          23989億円(発表時は23961億円)
             2017年09月          29603億円
             2017年12月          25673億円
             2018年3月           34655億円
              計              11兆3892億円

 11兆3892億円である。

 2017年1年間は、11兆7068億円であった。
 2016年1年間は、12兆3388億円であった。

 過去の国内銀行の不動産業への貸出額を記せば、下記である。

     2006年    9兆2034億円
     2007年    10兆1575億円
     2008年    8兆4282億円
     2009年    6兆6595億円
     2010年    7兆6743億円
     2011年    7兆7026億円
     2012年    8兆2381億円
     2013年    9兆5477億円
     2014年    10兆0850億円 
     2015年    10兆7332億円 
     2016年    12兆3388億円 
     2017年    11兆7068億円 
          2017年6月〜2018年3月 11兆3892億円

 不動産業への新規貸出が天井を打ち、減額に向かっている。

 国内銀行の不動産業への最高貸出額の2016年の金額から見ると、2018年3月直近1年間の貸出金額は、約1兆円の貸出額減となっている。

 1兆円の貸出額減が生じれば、そのことは不動産の価格に必ず影響してくる。

 国交省発表の地価公示価格が上昇しているから、土地価格はまだ値上りするだろうと見込み、都心商業地の価格状況を充分調査もせず、売値価格で買っていると、高値づかみの憂き目にあうかもしれない。ご用心を。


  鑑定コラム1721)
「不動産業年間貸出額大巾減 11.8兆円」

  鑑定コラム1732)「不動産業の倒産 前年比10件増」

  鑑定コラム1743)「平成29年の不動産業年間貸出額は11.7兆円」

  鑑定コラム1812)「不動産業への貸出減は続く(2018年6月)」

  鑑定コラム1923)「不動産業への国内銀行年間貸出額11兆円を割る」


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