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日本銀行が、2017年12月現在の貸出先別貸出金の統計を発表した。
2017年10月〜12月の国内銀行の不動産業への貸出先別貸出金額は、2兆5673億円であった。
2017年(平成29年)1年間の金額は、
2017年03月 37831億円
2017年06月 23961億円
2017年09月 29603億円
2017年12月 25673億円
計 11兆7068億円
11兆7068億円である。
2016年1年間は、12兆3388億円であったから、6320億円の減少である。
不動産業への新規貸出が天井を打った。
このことは、不動産の価格に必ず影響してくる。
東京都心の高度商業地の地価は、リートバブルで高騰した。それにより利益を得た人々は、我が世の春を謳歌して来たが、それもここまでである。
過去の国内銀行の不動産業への貸出額を記せば、下記である。
2006年 9兆2034億円
2007年 10兆1575億円
2008年 8兆4282億円
2009年 6兆6595億円
2010年 7兆6743億円
2011年 7兆7026億円
2012年 8兆2381億円
2013年 9兆5477億円
2014年 10兆0850億円
2015年 10兆7332億円
2016年 12兆3388億円
2017年 11兆7068億円
上記貸出額の金額を見ると、2つのピークがある。2007年(平成19年)と2016年(平成28年)である。
2007年が不動産ファンドバブルである。
そして2016年が、今回のリートバブルである。
リートバブルは、2014年がピークであるハズであったが、黒田日銀の無定見な超超超金融緩和政策により、その金が、他の産業に流れれば良いのに、大半が株式と不動産に流れ込み、不動産のリートバブルを長引かせてきた。都心高度商業地の地価は地雷原の上を走ってきた。
それも限界となり、2016年がピークとなった。ピークと分かるのが1年後の2017年の貸出金額を知ってである。
上記に記した不動産ファンドバブル後の貸出金額の大巾な減少を見て欲しい。
その後の不動産業者の倒産の凄まじさについては、鑑定コラム1732)「不動産業の倒産 前年比10件増」で記した。それを読み直して、バブル崩壊による不動産業の悲惨な状況を再認識して欲しい。
これが金融経済の現実である。リートバブル崩壊後もいつか来た道を辿ることになろう。
土地価格の値上がりで、もう一儲けしょうと考えずに、損切り覚悟で売却予定の高度商業地の所有土地を早々に手放した方が良い。
国内銀行の不動産業の貸出金額が、1年間で5.1%減額していると云うことを、日本全国の不動産投資家・不動産業者等が知っているわけでは無い。
不動産業は情報産業である。資金量の他に情報を早く知ったものが勝ちの産業でもある。
地価の大巾な下落と銀行からの借入金の返済催促にあって、ホゾを噛むことは避けられたい。
鑑定コラム1721)「不動産業年間貸出額大巾減 11.8兆円」
鑑定コラム1732)「不動産業の倒産 前年比10件増」
鑑定コラム1782)「不動産業への貸出減は続く」
鑑定コラム1812)「不動産業への貸出減は続く(2018年6月)」
鑑定コラム1846)「2018年9月不動産業への貸出額は前年同期比▲2.9%減」
鑑定コラム1880)「2018年不動産業への貸出額 対前年比▲5.7%減の11.04兆円」
鑑定コラム1923)「不動産業への国内銀行年間貸出額11兆円を割る」
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