2018年6月8日に公益社団法人千葉県不動産鑑定士協会(会長 増間真一不動産鑑定士)の年次総会が行われ、総会後に懇親会が開かれた。
その懇親会に、東京に住んでいる私に出席の依頼があったので、私は出席した。
私は千葉士協会に属しているわけでは無いことから、同協会から出席の手紙が来た時、何か間違いではないのかと思い、士協会の事務局に電話した。
士協会の事務局からは「間違いではありません。協会会長からの指示です。出席して下さい。」
という返事が返って来た。
ここ2年程、千葉県の不動産鑑定士の訴訟鑑定研究団体の「千葉県不動産研究会」において、賃料等について講演して来た。
その関係で、参加の手紙が来たのであろうと、勝手に解釈して参加することにした。
私の住んでいる府中市から千葉市まで、電車で約2時間弱かかる。
講演で知り合った研究会の幹部の人々と、再び酒を酌み交わして談笑出来ることを楽しみにしての理由の方が、出席の大きな理由であったが。
懇親会の会場は、千葉県庁に近いシティホテルの宴会場であった。
懇親会の受付で、一応来賓と云うことで、赤い花リボンを左胸に付けることになった。
来賓として、千葉県の担当課長、千葉県の弁護士会、税理士会、司法書士会、宅建協会等の各団体の代表の方々が出席されていた。
来賓の挨拶が始まった。
さて弱った。私も来賓のリボンを付けていることから挨拶しなければならないのかと。
2、3分で終わる短い話として、何を話そうかと来賓の方々の挨拶を聞きながら頭をめぐらした。
鑑定評価の話をすれば、長くなる。あっさりと「お招きいただき有り難うございます。」の一言で辞めようか。
進行係の司会者が、
「桐蔭横浜大学客員教授の・・・・」
と私の名前を呼んだ。
「そうか、日本全国の不動産鑑定士およそ8,200人の中で、大学の教授の職にある不動産鑑定士は10人いるかいないかの存在である。であれば、桐蔭横浜大学での話をすれば聞く人も、違う世界の話であるから興味を持つであろう。最近講義の合間の中で学生に話したことを短くして述べてみるか。」
と思いマイクを握った。
挨拶で述べた内容、つまり大学で不動産鑑定評価の90分の講義の中で、話を変える際の雑談の一つとして学生に述べたことを記す。
私は、桐蔭横浜大学法学部の3年生に、不動産鑑定評価の講義を担当している。選択科目であり、単位は前期2単位、後期2単位である。
私の講義には、何故か運動部に入っている学生が多い。野球部、サッカー部等の学生である。
大きな黒いバッグを背負って教室に入ってくるから、運動部の学生とすぐ分かる。
最近、大学3年生、運動部の学生ということで、気がかりな事件が起こった。
日大アメリカンフットボール部の事件である。
その事件を知り、大学は違うとは云え、心配になった。それは上記で記した大学3年生、運動部というくくりからである。
私の講義を聞いている学生にその様なことがあってはならないと思ってしまう。
受講している学生に聞いて見た。
「桐蔭横浜大学の監督には、日大アメフト部の様な監督はいないであろうな ?」
学生はすぐ答えてくれた。
「いません。」
と。
日大のアメフット部の監督の様な監督は、桐蔭横浜大学の運動部の監督にはいないと分かっていたが、学生からはっきりと聞いて安堵した。
「君達は法学部で法律を学んでいる。刑法を学んだと思うが、刑法には刑罰の阻却事由の条文がある。法令、正当な業務による行為は罰しない(刑法35条)という条文がある。
日大のアメフット部員の行為は、刑法の阻却事由を越えた行為であり、傷害罪等の犯罪行為となりうる。
監督がやれと云っても、監督それは違法行為ですから私には出来ませんと云ってはっきりと断らなければダメだょ。
断らなければ、法律を学んでいるという意味が無くなってしまう。
それは、再来年就職して社会人になっても同じことだょ。」
桐蔭横浜大学法学部には、現職の弁護士が2人ほど教授として学生に講義している。
万一上記のごとくの事態に遭遇したら、自分一人で考えず、先ず教官に相談することであると学生に話した。
挨拶は上記のことを、短くして話した。
最後に不動産鑑定のことについては、ビールを飲みながら話しましょうとして挨拶を終えた。
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