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「先人が開墾した田畑に、毎年種を撒き、同じやり方で作業していて、生産は上がるであろうか。先人が開墾した田畑を、先人の「投資」と置き換え、同じやり方の作業を「技術」と置き換えれば、その状態は、既存の設備でノウハウの進歩もなく生産活動していることと云える。」
上記文章は、2016年12月1日発表の鑑定コラム1574)の記事のトップに記した文章である。
鑑定コラム1574)は、設備投資について述べた記事である。
日本経済新聞は、2019年12月1日に、同社が調査した2019年度の全産業の設備投資動向調査を発表した。資本金1億円以上の有力企業1098社の調査結果である。
その調査によれば、2019年度の設備投資額(修正計画額)は、30兆3020億円である。
製造業、非製造業別の投資額は、下記である。
製造業 592社 17兆0856億円
非製造業 506社 12兆6163億円
2019年度を含めて過去の日経新聞調査発表の設備投資額を記すと、次の通りである。
2019年度 30兆3020億円
2018年度 28兆8179億円
2017年度 26兆2213億円
2016年度 26兆0351億円
2015年度 27兆6198億円
2014年度 27兆5235億円
2016年度には前年度比▲5.7%ダウンしたが、2017年度には+0.7%の増加となった。
2019年度は、前年度比+5.1%の増加である。
2019年度の不動産業の設備投資額は、30社で、1兆1502億円である。
不動産業の設備投資として三菱地所の設備投資に付いて、同日の日経新聞は下記のごとく記している。
「前年度比8.4%増の3090億円と過去最高になる見通し」と記す。
その投資金額の使い道については、「JR東京駅近くの常磐橋街区再開発では地上61階で、約300メートルと日本一の高さになる複合ビルなどを27年度までに完成させる」と記す。
三菱地所の2019年3月期の売上高は、1兆2632億円であった。売上高に占める設備投資額の割合は、
3090億円
─────── =0.245
1兆2632億円
24.5%である。
設備投資額1位と2位は、NTTとトヨタ自動車である。
NTTは1兆7500億円、トヨタ自動車は1兆4500億円である。1兆円以上の設備投資を行う企業は、この2社だけである。
売上高は、
NTT 11兆8798億円(2019年3月期)
トヨタ自動車 30兆2256億円(2019年3月期)
である。
売上高に占める設備投資額の割合は、下記である。
NTTは、
1兆7500億円
────────≒0.147
11兆8798億円
14.7%である。
トヨタ自動車は、
1兆4500億円
────────≒0.048
30兆2256億円
4.8%である。
設備投資は、売上高の20%以下で行えというのが、企業経営の鉄則である。
三菱地所の2019年度の3090億円の設備投資額は、「過去最高」額であるようである。無関係の外野席は黙っていろとお叱りを受けるかも知れないが、これ以上の設備投資は、しばらく控えた方がよいではなかろうかと私には思われる。
鑑定コラム1574)「2016年度の設備投資は26兆円」
鑑定コラム10)「設備投資額」
鑑定コラム155)「景気回復はデジタル家電から」
鑑定コラム2006)「GDP民間企業設備額に対する日経調査設備投資額の割合は32.3%」
鑑定コラム2009)「民間企業設備投資はGDPの16%を占める」
鑑定コラム2010)「民間消費は国内総生産の60%程度」
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