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2052)コロナウイルスの影響 京都ビジネスホテル宿泊費▲9.2%下落

 政府の新型コロナウイルス感染症対策本部は、ここ1、2週間が新型コロナウイルスの拡大を防ぐ大事な期間と判断し、2020年2月25日に『新型コロナウイルス感染症等の基本方針』を発表した。

 その基本方針として、企業に対して、「発熱等の風邪症状が見られる職員等の休暇取得の勧奨、テレワークや時差出勤の推進」を求めた。

 この政府の要請に対して、一部企業は2週間程度の自宅勤務に切り替える事を発表し、翌日より実行する企業もあった。

 時差通勤にする企業も出て来た。有給休暇による休暇をとる事を推進する企業も出て来た。

 多くの人が一個所に集まることは、新型コロナウイルスの拡大につながる事から、イベントの開催については、「感染の拡大防止の観点から、感染の広がり、会場の状況等を踏まえ、開催の必要性を改めて検討するよう要請する。」と発表した。

 この政府方針に従い、東京デズニーランドは、2020年2月29日(土)から3月15日(日)の間、臨時休園すると発表した。

 プロ野球のオープン戦は無観客試合とするとした。サッカーのJリーグ、ラグビーも無観客ゲームとすると発表した。

 新型コロナウイルスの日本上陸が現実化するにつれて、街の人通りが少なくなって来ているところに、政府の上記の要請により、日本経済の活動は鈍くなりつつあり、日常生活も家にこもりがちになろうとしている。

 そして2月27日、安倍首相の突然の小・中・高校の春休みまでの臨時休校の要請である。

 一方、海外の国も、新型コロナウイルスの伝染国として日本への渡航禁止若しくは注意国とする国も増えつつある。

 こうした情況をビジネスホテル宿泊料は、どの様に反映しているのか調査して見た。

 幸いにも、今年2月27日のビジネスホテル宿泊料を調査しており、それとの比較により、状況がどれ程料金に反映されているか知ることが出来る。

 ホテル宿泊料は、景気の変動、大災害が起こったときは敏感に反映する。

 それを具体的に説明すれば、東日本大震災の時、ホテルにどの様な影響が出たかを知れば分かる。

 その影響はホテルの稼働率に、はっきりとあらわれている。

 この事については、鑑定コラム864)「2011年の東京の主要ホテルの客室稼働率」で、下記の東京の主要ホテルの客室稼働率データを出して述べている。

    2011年01月       70.7%
        2011年02月       82.6%
        2011年03月       49.8%
        2011年04月       40.5%
        2011年05月       57.1%
        2011年06月       67.6%

2011年07月 68.7% 2011年08月 71.9% 2011年09月 77.8% 2011年10月 83.9% 2011年11月 83.5% 2011年12月 79.1%

 東日本大震災は、2011年(平成23年)3月に発生した。その3月の東京の主要ホテルの客室稼働率は49.8%、翌月の4月は40.5%である。通常の月は70%〜80%の客室稼働率であるのに、3月、4月は40%台である。これは東日本大震災による影響である。

 このごとくホテルに、景気変動、大災害の影響がすぐ現れる。

 調査したホテルは、高級ホテルでは無く、私が不動産鑑定評価で出張した時に、よく使う駅近くのビジネスホテルの宿泊料金である。

 名古屋、京都、大阪の駅近くのビジネスホテルである。東京のホテルは使ったことはないが、宿泊料金比較するためには必要であり、東京も入れる。

 調査日は2020年3月3日で、宿泊日は、15日後の2020年3月18日(水)とし、その日の宿泊料金を調べた。

 条件は、ビジネスホテル、朝食付 シングル、禁煙部屋とする。

 調査ビジネスホテルは、京都の一部を除き2月27日の宿泊料を調査した同じビジネスホテルとする。(注 京都は新しく2つのホテルが加わったが、料金変動率には加えていない。)

 ホテル宿泊料金は、私がいつも使っているホテル予約ネットの「じゃらんnet」(リクルート)に発表されている宿泊料金とする。

 調査したホテル宿泊料金の一覧は、最後尾に記すが、平均宿泊料金及び料金変動率をまとめて記すと、次のとおりである。

                       2月27日          3月18日       変動率

東京      10,498円   9,737円      ▲7.8% 名古屋     7,518円 7,441円 ▲0.16%      京都      7,441円 6,732円(注) ▲9.2%     大阪      7,212円  7,066円 ▲0.8%

   (注)新規の2ホテル込みの平均で、それを除いた平均は6,703円である。

 期間の差は僅か20日間という短い日数であるが、4都市いずれもビジネスホテル平均宿泊料金は下落している。

 この現象は、新型コロナウイルスの日本の感染顕在化と前記の日本政府の対応政策を、ホテル経営者が宿泊需要見込み予測して宿泊料金を決めた結果と推測される。

 平均宿泊料は下がっていることから、変動率はいずれも下落であり、一番大きいのは、京都の▲9.2%、次いで東京の▲7.8%である。名古屋、大阪は微弱である。

 調査したホテルの中には2月27日時点と比較して料金アップのホテル、料金据え置きのホテルもある。

 都市別のホテル料金が下落したホテル数、同料金のホテル数、値上りしているホテル数は下記である。

            ホテル数      下落    同じ       上昇

   東京 17 13 2 2 名古屋 13 6 4 2 京都 9 6 1 2 大阪 19 8 4 7

 東京はアップしたのは2件と少ないが、そのアップ率は27.8%、10.1%と高い率のアップである。下落したホテルが圧倒的に多く、一番大きな率の下落は、▲42.2%である。宿泊料金値下げのビジネスホテルの割合は76%である。

 名古屋は料金据え置きが多い。宿泊料金値下げのビジネスホテルの割合は46%である

 京都は値上げは2件で、8%前後の値上げである。下落が圧倒的に多いが、▲40%近くの値下げのホテルもある。宿泊料金値下げのビジネスホテルの割合は67%である

 大阪は据え置き・値上げの方が、値下げよりも多い。2月に値下げしすぎて採算が合わなくなり、値上げせざるを得ないという事情があるのか。それとも、政府の今回の政策要因は、2月時点で織り込み済みで、先を見込んで料金アップということであろうか。宿泊料金値下げのビジネスホテルの割合は42%である

 下記に、調べた各都市の駅近のビジネスホテル宿泊料金・変動率一覧を記す。


 東京のビジネスホテルの分析である。

番号 ホテル名 令和2年2月27日 a 令和2年3月18日 b 変動率 b/a-1
1 京急EXイン東銀座 9545 8818 -0.076
2 京王プレッソイン大手町 9909 5727 -0.422
3 ヴィアイン秋葉原 8454 7454 -0.118
4 ホテルインターゲート東京京橋 11200 10427 -0.069
5 ニューセントラルホテル 7181 6727 -0.063
6 東急ステイ日本橋 8100 8918 0.101
7 西鉄イン日本橋 8454 7727 -0.086
8 ホテル法華イン日本橋 7072 6818 -0.036
9 ホテルグレイスリー銀座 12636 10363 -0.18
10 ホテルサンルート銀座 10818 8545 -0.21
11 レム日比谷 12545 10727 -0.145
12 ソラリア西鉄ホテル銀座 15818 14909 -0.057
13 ホテル龍名館東京 13727 17545 0.278
14 相鉄フレッサイン銀座7丁目 11390 10481 -0.08
15 秋葉原ワシントンホテル 10800 10800 0
16 銀座キャピタルホテル 7727 6454 -0.165
17 銀座クレイトン 13090 13090 0
  平均 10498 9737 -0.078
  標準偏差 2443 3154  
  変動係数 0.233 0.324  


 名古屋のビジネスホテルの分析である。

番号 ホテル名 令和2年2月27日 a 令和2年3月18日 b 変動率 b/a-1
1 ヴィアイン名古屋新幹線口 7818 7818 0
2 くれたけインプレミアム名古屋納屋橋 7181 7181 0
3 名鉄イン名古屋駅前 6363 6363 0
4 名鉄ニューグランドホテル 9090 8363 -0.08
5 リッチモンドホテル名古屋納屋橋 7636 7181 -0.06
6 アパホテル名古屋栄 6272 5818 -0.072
7 ジャストインプレミア名古屋駅 5000 5000 0
8 名古屋クラウンホテル 5363 4545 -0.153
9 名古屋金山ホテル 7727 8454 0.094
10 名古屋駅前モンブランホテル 7727 7181 -0.071
11 ダイワロイネット名古屋駅前 9836 11836 0.203
12 名鉄グランドホテル 10000 9272 -0.073
13 キャッスルプラザ 7727 7727 0
  平均 7518 7441 -0.016
  標準偏差 1534 1895  
  変動係数 0.204 0.255  


 京都のビジネスホテルの分析である。

  ホテル名 令和2年2月27日 a 令和2年3月18日 b 変動率 b/a-1
1 アパホテル京都駅堀川通り 6000 5363 -0.106
2 アルモントホテル京都 7727 8363 0.082
3 都ホテル京都八条 8454 9090 0.075
4 ホテルアンテルーム京都 6836 5745 -0.16
5 ホテル京阪 京都グランデ 8818 8818 0
6 京都第一ホテル 6181 5090 -0.177
7 京都新阪急ホテル 7090 6363 -0.103
8 イビススタイル京都ステーション 10454 6363 -0.391
9 R&Bホテル京都駅八条口 5409 5136 -0.05
10 ホテル法華クラブ   6545  
11 京都タワーホテル   7181  
  平均 7441 6732 -0.092
  標準偏差 1595 1455  
  変動係数 0.214 0.216  


 大阪のビジネスホテルの分析である。

番号 ホテル名 令和2年2月27日 a 令和2年3月18日 b 変動率 b/a-1
1 ヴィアイン梅田 7727 7727 0
2 ホテルグランヴィア大阪 10272    
3 リーガロイヤルホテル 7727 7727 0
4 大阪新阪急ホテル 7763 6454 -0.169
5 ホテルユニゾ大阪淀屋橋 7839 7839 0
6 大阪第一ホテル 6818 5909 -0.133
7 三井ガーデンホテル大阪プレミア 10977 10500 -0.043
8 ホテル法華クラブ大阪 6636 7545 0.137
9 ホテルコルディア大阪 8636 10145 0.175
10 ホテル京阪淀屋橋 5672 6400 0.128
11 R&Bホテル梅田東 5136 4545 -0.115
12 新阪急ホテルアネックス 7727 6400 -0.172
13 ホテルイングランデ梅田 7272 7727 0.063
14 ホテルイ.モンテ 7000 7909 0.13
15 ホテル阪神大阪 9454 9000 -0.048
16 スーパーホテル梅田肥後橋 5000 4818 -0.036
17 センターホテル大阪 5545 5545 0
18 ホテルピナリオ梅田 6000 6909 0.152
19 イ-ホテル大阪梅田 3818 4090 0.071
  平均 7212 7066 0.008
  標準偏差 1825 1767  
  変動係数 0.253 0.25  


  鑑定コラム864)
「2011年の東京の主要ホテルの客室稼働率」

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