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2278) 大谷、大谷の2日間で疲れた

 2021年7月13日、14日(日本時間)に、2021年米大リーグオ−ルスターゲームが開かれた。

 13日はホームランダービー、14日がナショナルリーグ、アメリカンリーグのファン投票によって選ばれた2021年の超一流の選手による野球対戦である。

 そのオールスターに、大谷翔平選手が投手、DH野手そしてホームランダービー(本塁打競争)8人に選ばれて出場するということで、朝早くからNHKの実況放送を見た。

 日本人選手がオールスターの勝ち抜きホームラン競争であるホームランダービーに選ばれ、出場する事など考えられなかった。

 松井秀喜が渡米しヤンキースに入り、年間31本のホームランを打ったが、30本程度のホームランを打つ選手は大リーグにわんさかとおり、とてもホームランダービーに出られる資格は無かった。

 渡米して4年、エンゼルスに入団した大谷翔平は、投手で有りながら、DH制の打者としてバッターボックスに立った。

 2021年オールスターまでの前半は4勝した。リリーフ投手がしっかりしていれば7勝はしていると私は思う。

 エンゼルスの中継ぎの酷さには、これが大リーグの投手なのかと何度驚き嘆いたことか。大谷が頑張って5対2で降板し、これで大谷は勝利投手になると思っていると、終わってみると5対7で負けていたりする。

 マドン監督は、救援投手のふがいなさによくぞ我慢していると私は何度か思った。

 しかし、大谷だって偉そうな事は云えない。先発して1インニング7失点でマウンドを降りるという、先発投手として絶対やってはいけない事をやっている。

 2021年7月1日、ニューヨークヤンキース球場で、対ヤンキース戦の先発として、大谷は初めてヤンキース球場のマウンドに立った。

 打者としてもDHの1番打者として、試合に臨んだ。

 新聞テレビは、ベーブルースの再来だと騒ぐ。

 これらの事が大谷に心理的影響を与えたのか、1回裏の投球が始まったが、ストライクがさっぱり入らない。

 ヤンキースの攻撃の1番、2番、3番打者に連続四球を与え満塁となる。

 4番打者のスタントンにヒットを打たれ、1点献上する。

 5番打者にもヒットを打たれ2点目を献上する。

 6番打者をどうにか空振り三振をとり、やっと1アウトである。

 7番打者は内野ゴロで2アウトを取ったが、この間に3塁走者がホームに生還して3点目を献上する。2死で走者は2、3塁である。

 8番打者には、あろうことかデッドボールを与えて、満塁となる。

 9番打者にストライクが入らず四球となり、押出しの4点目を献上する。

 ここで、さすがにマドン監督は我慢出来ずマウンドに行き、投手交代を告げる。大谷は1回が持たず41球の投球でマウンドを降りる。

 救援の投手が、打者1巡した1番打者に2塁打を打たれ、走者一掃となり、大谷の責任失点と成り7点献上する。

 ニューヨークヤンキースというチームは、やはり特別なチームなのか。大谷に無言のプレッシャーを与え、通常の大谷で無い大谷にさせてしまったようである。

 恐らく、2021年7月1日のヤンキース戦の投手としてのやってはいけない失敗の事は、大谷にとって一生忘れられないこととして記憶に残るに違いない。

 大谷の打撃が開花して、今年は、オールスターゲームまでの前半戦にホームランを33本打っている。距離140メートルの大ホームランを打つ。ホームランの初速は時速180kmと他のホームラン打者も舌を巻く速さである。

 ベースボールの実況放送に慣れているテレビ放送のカメラマンのカメラも打球に追いつけなく、打球がどこに飛んだか分からない。当てづっぽうに外野下段席を映すが、いつもは生じる打球の取りあいの騒動は起こっていない。下段席の観戦者も打球がどこに飛んだか分からない。

 打球は、新型コロナウイルス感染の為に観客制限をしていた観客のいない最上段に飛んでいたと後で分かる始末である。

 33本のホームランは、大リーグのナ・ア両リーグを通じて、断トツのトップである。

   1位 大谷翔平(エンゼルス)     33本
      2位  ウラジーミル・ゲレーロ・ジュニァ(ブルージェイズ)     28本
           フェルナンド・タティース Jr (パドレス)     28本
      3位 ジョイ・ガロ(レンジャーズ)   24本
      4位 マット・オルソン(アスレチックス)   23本
      5位 ラファエル・デイバース(レッドソックス)他3人  22本

 ヤンキースのアーロン・ジャッジは、21本である。

 ホームランダービーは、4人のグループに分かれ、時間3分に2人対決でどれだけ多く球場のフエンス越え(ホームラン)を打つかを競い、多く本数を打った選手が勝ちとする勝ち抜き戦である。2グループの勝ち抜き戦を勝ち抜いた選手同士で最後は優勝を争うとものである。

 優勝賞金は100万ドル、現在の日本円にすると1ドル=110円であるから1億1千万円である。

 今年のオールスターは、コロラドロッキーズのスタジアムであるデンバー市のクアーズ・フィールドで行われた。この球場で野茂英雄氏がノーヒット・ノーランを行った事を思い出す。

 デンバー市そのものが標高約1600メートルの高さにある。クアーズ・フィールドも標高約1600メートルの高さにあることになる。

 日本でいえば、信州の上高地が1500メートルの高さである。標高1600メートルと海抜5メートルの地域と酸素濃度を比較すれば、標高1600メートルの酸素濃度は薄い。急激な運動には相当の負荷がかかる。

 大谷は33本のホームランの実績から、1回戦最後の組として登場した。

 ボールを投げる投手役は、プルペンで大谷のボールをいつも受けているブルペン捕手のジェイソン・ブラウン氏である。そのボールを受ける捕手役には、誰がなるのかと思っていたらびっくりする人が捕手役を務めた。

 捕手役は何と通訳の水原一平氏である。大谷のいるところに常に水原一平氏が付き添う。大谷のマネージャー的兄の様な存在の人である。

 「えっ、一般の人でも出来るの?」と私は思った。

 水原一平氏を捕手役に指名したのは大谷自身のようであるが、米国人も不思議に思ったようである。

 ホームランダービーの前に、大谷は米放送局「MLBネットワーク」のインタビューに応じ、その中で、やはり通訳の水原一平氏を捕手役に選んだ理由の質問が出た。

 大谷のその質問に対する答えがふるっている。

 「後ろに僕より緊張している人がいた方が楽かなと思って」。

 この答えには、そのインタビュー番組に出演していたレッドソックスの投手としてかって活躍していたペドロ・マルチネスも大笑いしたとスポーツ新聞は報じる。

 大谷の回答も一流である。

 ホームランダービーが始まった。

 大谷の相手は、メッツのフアン・ソトであった。ソトが先に3分間打ち22本の柵越えを行った。

 大谷の番となった。

 投手役のジェイソン・ブラウン氏も緊張しているのか、大谷の打球が上に上がらない。打球が下に行く。

 1分半程度で5本の本塁打しか打てない。疲れと気分転換なのか休憩をとる。

 疲れたそぶりが体に表れる。

 再開後は、投手役の人もどこに投げればホームランになるのか分かったのか、大谷の1スイングが、ことごとく柵越えする。3分間を終了して16本塁打である。

 大谷の負けかと思ったら、打球の飛距離による1分間のボーナスがつき、そのボーナスの1分間に6本打ち22本となる。

 ソトと同じ本数となる。ホームラン同数の場合は1分間のタイブレーク勝負となる。

 そのタイブレークで、両者とも28本のホームランとなる。タイブレークでも勝負は決着しない。その次は、3スイング制のサドンデスとなる。

 ソトは3スイング全て柵越えで31本となる。

 大谷の最初の1スイングは1塁方向のゴロとなり、これで大谷の負けが決着する。

 大谷は相当疲れた様であった。休憩時には、グランドに正座して手をついて疲れをとっていた。

 観戦するアメリカ人の多くは、大谷のグランドでの正座姿を見て驚いたに違いない。

 ホームランダービー中の大谷の疲れ具合はひどく、終了時はへとへとの状態であった。

 終了後のテレビのインタビーで、「今迄で一番疲れた。」と云っていた。「どの様な疲れの感じか。」の質問に対して、「筋肉が疲れたというものでなく、息が、息が苦しいみたいな疲れ。」のごとくの事を云っていた。

 高地による酸素不足が、疲れ具合に大きく影響していると私は受け取った。

 そして14日、2021年の大リーグのオールスターが行われた。

 大谷は先発投手として指名され、かつ打順はDHで1番として出場する。

 1回戦の先攻チームの1番打者として、バッターボックスに立つ。ナ・リーグの先発投手はナショナルズのマックス・シャーザーである。サイヤング賞3度を受賞するナ・リーグを代表する投手である。

 2球目を打つが2塁手の好プレーで1塁アウトとなる。

 1回裏、ア・リーグの先発投手として大谷はマウンドに立つ。

 オールスターゲームで史上初めて投打での二刀流の出場を記録した。

 ナ・リーグの1番打者は、パドレスのフェルナンド・タティース Jrである。28本の本塁打を打つ若手の伸び盛りの強打者である。レフト飛球で打ち取る。

 2番打者は、ドジャースのマックス・マンシーをセカンドゴロで討ち取る。

 3番打者は、本塁打王3度のカーディナルズのノーラン・アレナドである。最速161.2キロの速球を最高に、160キロ台を連発してアレナドを遊ゴロに仕留める。

 テレビは、ア・リーグのダグアウトにいるヤンキースの押え投手のチャップマンを映す。大谷の投球速度100マイル表示(1マイル=1.60934km)を見て、隣の選手と何か話している姿である。

 チャップマンは、166kmの球速のボールを投げる押え専門の投手(クローザー)である。

 大谷は、ナ・リーグの打順1,2,3番の打者3人をピシャリと抑えた。

 1イニングで大谷は投手を終えた。

 DHの打者としての第2打席はファーストゴロでアウトとなり、そのあと交代した。これで大谷の初出場のオールスターゲームは終わった。

 ゲームはア・リーグが5対2で勝ち、大谷が勝利投手となった。

 大谷がホームランタービーで、最多ホームランを打って優勝するだろうか。DH打者としてホームランを打つだろうかとわくわくしながら2021年大リーグのオールスター戦をテレビ観戦した。

 朝9時とか8時からの応援も疲れる。仕事の方も溜まってしまった。

 大リーグのオールスターに出て、投手・打者で活躍する大谷翔平選手を見ることが出来た事を嬉しく思う。大谷選手の活躍に元気付けられる。大谷選手有り難う。

 イチロー選手が大リーグを辞めてからは遠ざかっていた米大リーグのテレビ放送を再び見るようになった。


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