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日本銀行が、2022年5月19日に2022年第1四半期の国内銀行による不動産業への貸出先別貸出金額を発表した。
それによると2022年1月〜3月の国内銀行の不動産業への新規貸出額は、3兆6089億円である。
前年同期は、3兆2941億円であったから、前年同期比では、
3兆6089億円
──────── = 1.096
3兆2941億円
9.6%アップである。
四半期の対前年同期比の増加率は、下記である。
2021年7月〜9月 前年同期比 + 4.3%
2021年10月〜12月 前年同期比 +26.3%
2022年1月〜3月 前年同期比 + 9.6%
である。
貸出額増加が続いている。
2022年第1四半期末直前1年間の貸出額を記すと、下記である。金額は発表時の金額である(以下同じ。発表後に金額が変更されている場合が多々あるため)。
2021年第2四半期 2兆1656億円
2021年第3四半期 2兆5958億円
2021年第4四半期 3兆0756億円
2022年第1四半期 3兆6089億円
計 11兆4459億円
各四半期末直前1年間不動産業貸出額は、下記である。
2016年12月 12兆3388億円
2017年3月 12兆3580億円
2017年6月 12兆1569億円
2017年9月 11兆7927億円
2017年12月 11兆7070億円
2018年3月 11兆3894億円
2018年6月 11兆3064億円
2018年9月 11兆2219億円
2018年12月 11兆0434億円
2019年3月 10兆9189億円
2019年6月 10兆7439億円
2018年9月 10兆8577億円
2019年12月 11兆0715億円
2020年3月 11兆2599億円
2020年6月 11兆3390億円
2020年9月 10兆8391億円
2020年12月 10兆6697億円
2021年3月 10兆4344億円
2021年6月 10兆3828億円
2021年9月 10兆4889億円
2021年12月 11兆1311億円
2022年3月 11兆4459億円
年間貸出額の前年比は、
11兆4459億円
─────── = 1.097
10兆4344億円
9.7%増となった。
10兆円前半台へと少しずつ減少していた国内銀行の不動産業への貸出額が、2021年12月に再び11兆円台に逆戻りてしまった。そして、3ヶ月後には11兆円の中半になろうとしている。
2022年第1四半期の国内銀行の総貸出額は、13兆9676億円である。
総貸出額に占める不動産業への貸出額の割合は、
3兆6089億円
──────── =0.258377≒0.26
13兆9676億円
26%である。
不動産業は、国内銀行の総貸出額の26%の貸出が必要となるほどの産業であろうか。
国内総生産に占める不動産業の割合は、住宅の帰属家賃を除いた不動産業の実際の国内総生産は4.2%程度(鑑定コラム1556参照)である。
国内総生産に占める割合が4.2%程度の不動産業が、総貸出額の26%の金額の投資先業種であるとは、かなりおかしいでは無かろうか。
日本銀行は、国内銀行を指導して、甚だ偏っている貸出先の指導をすべきと私は思うが。
不動産業へのこれ以上の貸出は不要である。どうしても貸し出したいと云うのであれば、現行の0.5%とか0.8%のごとくの低金利の貸出で無く、2.5%とか3%の貸出金利での貸出に政策を変更せょ。
土地価格をこれ以上上昇させて、何の得策になるのか。
黒田日銀の金融緩和政策は、消費者物価を消費者物価指数で換算して2%上げる政策では無かったのか。金融緩和政策をしても消費者物価指数の2%上昇は実現しない。上がったのは、土地価格と株価だけである。
黒田日銀の金融緩和政策は失敗である。黒田日銀総裁は責任を取って辞められた方が良い。次の優れた能力のある人に、席を譲った方がよい。黒田氏よりも優れた能力を持つ代わりの人はいるであろう。必ずいる。いないハズが無かろう。
上記四半期末直前1年間の貸出額をグラフにしたのが、下図である。
鑑定コラム2326)「日銀はいつまで許すのか 不動産業への年間10兆円超の貸出額」
鑑定コラム2295)「不動産業への新規貸出額2021年6月期 対前年同期比▲2.4%減」
鑑定コラム2223)「最近20年間の国内銀行の不動産業貸出額の推移グラフ2020年」
鑑定コラム2232)「日本最高値地価▲7.1%ダウン 2021年地価公示価格」
鑑定コラム2083)「日本最高地価と不動産業貸出額」
鑑定コラム1542)「東京の最高地価と推移」
鑑定コラム1556)「帰属家賃を控除した不動産業の国内総生産はどれ程か」
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