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2501) 丸の内・日本橋室町・虎ノ門の賃料下落率▲3〜7% 2020年5月〜2022年11月

 先の鑑定コラム2499)「日経オフィス賃料 2022年下期 東京下落」に於いて、日本経済新聞社の2022年11月のオフィス賃料調査の結果の日経新聞の発表から、東京の事務所賃料は下落していると記した。

 そのコラムには、2022年11月時の東京22地域の事務所賃料を記したのみであり、具体的にどれ程賃料は下落しているのかについて記していない。

 ただ日経新聞の文章、「物価高やウクライナ危機による景気の先行き不安から、オフィス需要の回復はいまだ見通せない。新型コロナウイルス禍で在宅勤務が定着し、企業がオフィス面積の見直しを進めていることも大きい。」を引用しているだけである。

 この文章からは、新型コロナウイルス感染によって勤務状態が変わり事務所面積の需要の減少の要因から、事務所賃料は下落しているということは分かるが、ではどれ程の賃料下落があったのかと云うことは、さっぱり分からない。

 そうした反省もあり、日経オフィスの発表している新型コロナウイルス感染が無い状態の2019年11月の丸の内、日本橋室町、虎ノ門の賃料と2022年11月迄の賃料推移を記して、賃料の変化と賃料の下落の数値を求めてみた。

 下記である。


  日経オフイス ゾーン高値賃料 既存ビル 千円/坪            
地域 2019年11月 2020年5月 2020年11月 2021年5月 2021年11月 2022年4月 2022年11月
千代田区 丸の内〜大手町 60 60 60 55 58 58 58
中央区 日本橋室町〜本町 45 45 47 45 40 40 43
港区 新橋〜西新橋〜虎ノ門〜汐留 45 45 50 48 48 48 42


 上記賃料推移をグラフにしたのが、下記グラフである。



都心3区賃料 コロナ影響率



 3つの地域とも2019年11月から2020年5月までには、新型コロナウイルス感染要因は、事務所賃料に影響を与えていない。

 このことから2020年5月の賃料と2022年11月の賃料の変動率を求める、下記である。

地域 代表地 2020年5月 a 2022年11月b 変動率 b/a %
千代田 丸の内〜大手町 丸の内 60 58 0.97 -3
中央 日本橋室町〜本町 日本橋室町 45 43 0.96 -4
新橋〜西新橋〜虎ノ門〜汐留 虎ノ門 45 42 0.93 -7
  平均   50 48 0.95 -5


 2020年5月〜2022年11月の賃料の変動率は、

 
                 丸の内    -3%
                 日本橋室町    -4%
                 虎ノ門    -7%
                  平均         -5%
である。

 賃料下落の主たる要因は、新型コロナウイルス感染によるものであることから、それによる事務所賃料下落は、コロナウイルス感染が日本に上陸してから2年半の間に、都心主要3区で−5%と分析される。


  鑑定コラム1156)「リーマンショック、トヨタ赤字、東日本大震災の賃料影響」

  鑑定コラム48)「丸の内・大手町・銀座のビル賃料」

  鑑定コラム538)「オフイスビル賃料のピークは2008年5月だった」

  鑑定コラム2499)「日経オフィス賃料 2022年下期 東京下落」

  鑑定コラム2504)「地方主要都市の事務所賃料に見るコロナウイルス感染の影響の有無」


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