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2506) 最高額に近づく国内銀行年間不動産業新規貸出額 2022年第3四半期12.1兆円

 日本銀行が、2022年第3四半期の国内銀行による不動産業への貸出先別貸出金額を発表した。

 それによると2022年7月〜9月の国内銀行の不動産業への新規貸出額は、3兆0553億円である。

 前年同期は、2兆5958億円であったから、前年同期比では

                      3兆0553億円
                  ────────  = 1.177                        
                      2兆5958億円
17.7%アップである。

 四半期の対前年同期比の増加率は、下記である。
        2021年7月〜9月   前年同期比  + 4.3%
    2021年10月〜12月  前年同期比  +26.3%
    2022年1月〜3月   前年同期比  + 9.6%
    2022年4月〜6月   前年同期比  +10.4%
    2022年7月〜9月   前年同期比  +17.7%
である。

 貸出額増加が、甚だしいという形容詞が付く程に続いている。

 2022年第3四半期末直前1年間の貸出額を記すと、下記である。金額は発表時の金額である(以下同じ。発表後に金額が変更されている場合が多々あるため)。
      2021年第4四半期   3兆0756億円
            2022年第1四半期   3兆6089億円
            2022年第2四半期   2兆3907億円
            2022年第3四半期   3兆0553億円
                計              12兆1305億円

 各四半期末直前1年間不動産業貸出額は、下記である。
            2016年12月           12兆3388億円
            2017年3月            12兆3580億円
            2017年6月            12兆1569億円
            2017年9月            11兆7927億円
            2017年12月           11兆7070億円
            2018年3月            11兆3894億円
            2018年6月            11兆3064億円
            2018年9月            11兆2219億円
            2018年12月           11兆03434億円
            2019年3月            10兆9189億円
            2019年6月            10兆7439億円
            2018年9月            10兆8577億円
            2019年12月           11兆0715億円
            2020年3月            11兆2599億円
            2020年6月            11兆3390億円
            2020年9月            10兆8391億円
            2020年12月           10兆6697億円
            2021年3月            10兆4344億円
            2021年6月            10兆3828億円
            2021年9月            10兆4889億円
            2021年12月           11兆1311億円
            2022年3月            11兆4459億円
            2022年6月            11兆6710億円
            2022年9月            12兆1305億円

 年間貸出額の前年比は、
                    12兆1305億円
                 ─────── = 1.157                            
                    10兆4889億円
15.7%増となった。

 上記四半期末直前1年間の貸出額をグラフにしたのが、下図である。





2022年第3四半期不動産業貸出額




 10兆円前半台へと少しずつ減少していた国内銀行の不動産業への貸出額が、2021年12月に再び11兆円台に逆戻りてしまった。そして、9ヶ月後の2022年9月には12.13兆円と12兆円を突破してしまった。

 今迄の不動産業への年間最高貸出額は、2017年3月の12兆3580億円である。

 その最高貸出額に近づこうとしている。少し異常な状態にあると思わないか。

 2022年第3四半期の国内銀行の総貸出額は、12兆3334億円である。

 総貸出額に占める不動産業への貸出額の割合は、
                      3兆0553億円
                  ──────── =0.248≒0.25                    
                     12兆3334億円
25%である。

 不動産業は、国内銀行の総貸出額の1/4の貸出が必要となるほどの産業であろうか。

 国内総生産に占める不動産業の割合は、住宅の帰属家賃を除いた不動産業の実際の国内総生産は4.2%程度(鑑定コラム1556参照)である。

 国内総生産に占める割合が4.2%程度の不動産業が、総貸出額の25%の金額の投資先業種であるとは、かなりおかしいでは無かろうか。

 日本銀行は、国内銀行を指導して、甚だ偏っている貸出先の指導をすべきと私は思うが。

 不動産業へのこれ以上の貸出は不要である。どうしても貸し出したいと云うのであれば、現行の0.5%とか0.8%のごとくの低金利の貸出で無く、2.5%とか3%の貸出金利での貸出に政策を変更せょ。

 土地価格をこれ以上上昇させて、何の得策になるのか。

 消費者物価指数を2%上げようとして、10年近く、金融の超超緩和を黒田日銀は安倍政権の政策として行おうとしたが、一向に2%の消費者物価指数は上がらない。

 ロシアによるウクライナ侵攻が2022年2月に、突如始まって、ウクライナ南東地域のロシア占領の攻防の戦争になり、ロシアの欧州へのガスの輸出の影響が懸念されると、日本への輸入原材料の高騰となって日本の産業に大きく影響を与え始めた。

 日本経済、生産業の弱点がさらけ出された。平和ボケしている日本人に「油断大敵」の言葉が襲いかかってきた。

 そして、あっという間に消費者物価上昇が始まり、瞬く間に消費者物価指数の2%以上の上昇が生じた。

 安倍晋三氏は不幸な死を遂げた。安倍氏の後ろ盾あっての黒田日銀の超超金融緩和政策であった。

 後ろ楯も無くなり、黒田日銀の超超金融緩和政策は失敗であったのであるから、黒田東彦氏も日銀総裁を辞められた方が良い。

 黒田東彦氏に代わる人材がいないと云うことは無かろう。黒田東彦氏よりも洞察力のある優れた若い人はいるであろう。若い優れた人に早く変わった方が日本の経済の為に良い。

 

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