○鑑定コラム
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国土交通省が、2023年11月17日に、2023年第3四半期(令和5年7月1日〜令和5年10月1日)の地価LOOKの調査結果を発表した。
地価LOOKの調査は、三大都市圏とその他主要都市の高度商業地及び高度土地利用の住宅地から調査地80地点を選び、四半期毎に、価格数値ではなく、土地価格の状況傾向を調べるものである。
地価は上昇している、横ばいである、下落しているという傾向を調査するものである。
その調査は不動産鑑定士によって行われている。
三大都市圏の一つである東京都は21地点であり、その内商業地は16地点、住宅地は5地点である。
東京都商業地16地点は下記の地域である。
丸の内、有楽町・日比谷、銀座中央、八重洲、六本木、虎ノ門、新宿三丁目、歌舞伎町、渋谷、表参道、池袋東口、上野、品川駅東口周辺、青海・台場、中野駅周辺、立川
この東京都商業地16地点の地価変動の3種別、「上昇」、「横ばい」、「下落」の変動状況を、一つの数値で現す地価動向DI値に変換する。
算式は、
上昇地点数−下落地点数
───────────── ×100 = 地価動向DI値
全体の地点数
である。
令和5年(2023年)第3四半期の地価変動の状況は、下記である。
上昇 14地点
横ばい 2地点
下落 0地点
計 16地点
横ばいの地点は、青海・台場と立川である。
令和5年第3四半期の地価動向DI値は、
14−0
───── ×100 = +88
16
88である。
前期の第2四半期のDI値は+63であった。+63が+88になったのであるから、東京の商業地の地価は強く上昇していると判断出来る。
過去1年少しの四半期の地価動向DI値を記すと下記である。
令和4年第3四半期 50
令和4年第4四半期 63
令和5年第1四半期 69
令和5年第2四半期 63
令和5年第3四半期 88
前期の令和5年第2四半期の東京都商業地の地価LOOKについて鑑定コラム2637)で、DI値が69から63に6ポイント下落したことについて、下記のごとく記述した。転載すると下記である。
****
令和5年第2四半期のDI値は63で、前期の69より6ポイント下落している。
上記のことは、東京の商業地の地価は、地価動向の先行きを反映していると判断すると、6ポイント下落したということは、東京商業地の地価は頭を打ったことを示し、日本の地価は天井を打ったと云うことを意味することになる。
しかし、横ばい地点がまだ6地点あるから、この地点が横ばいから、上昇に転じれば、地価上昇と云うことになる。このことから、現在はその状況の見極めの段階と解釈すべきか。
判断の分かれる所である。
****
令和5年第3四半期の東京都商業地の土地DI値は、+88になった事から、前期第2四半期の「判断の分かれる所である」の結論は出た。
DI値の最高数値は+100である。+88の値は+100に近い。さて第4四半期はどういうDI値になるか。
令和元年(2019年)第1四半期〜令和5年(2023年)第3四半期までの地価動向DI値をグラフにすれば、下記グラフである。
鑑定コラム2408)「地価LOOKの東京商業地価のDI値 -6 薄日差し込む 4年第1四半期」
鑑定コラム2453)「東京商業地価上昇地域の拡大が激しい 地価LOOK令和4年第2四半期」
鑑定コラム2511)「東京商業地価上昇鈍る 地価LOOK令和4年第3四半期」
鑑定コラム2637)「東京商業地地価DI値63 地価LOOK令和5年第2四半期」
鑑定コラム2638)「全国地価と東京商業地価の地価DI値の関係 地価LOOK2023年第2四半期」
鑑定コラム2705)「東京商業地・地価LOOK令和5年第4四半期 地価DI値+94
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