○鑑定コラム
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2011年3月末日の東証一部上場225種の日経株価は、9,755円10銭で終わった。
昨年2010年3月31日の日経平均株価は、11,089円94銭であった。
3月末の決算の多い日本企業にとって、3月末日の東証株価は大切である。
自社の株式、所有株式の資産が1年前と比べて、値下がったことを意味し、この株式の数値は大変重要な数値である。企業の3月期末決算に直接影響を与えることになる。
1年間の株価変動率は、
9,755円10銭
──────── = 0.880
11,089円94銭
12.0%の値下がりである。
所有株式の値下がりは、景気の足を引っ張ることになる。
福島第一原子力発電所が、大津波で廃炉の道を歩む事になるであろう巨大企業の東京電力の株価をみる。
東京電力の2011年3月31日の日経株価は466円で終わった。
大地震、大津波のくる前日である3月10日の東京電力の日経終値は、2153円であった。
本日(4月21日)の終値は、423円である。
1000株持っていたとすると、
3月10日 2,153,000円
4月21日 423,000円
である。
1ヶ月少しで、
423,000円−2,153,000円=▲2,030,000円
の損失である。
「東電の経営者よ、この損失をどうしてくれるのか。想定外であったとか言い訳しているが、冗談では無かろう。人災だょ。」
と株主は怒るのではなかろうか。
1000株程度は小株主であるから、その怒りは無視しても良いと経営者は思っているであろうが、これが1万株、10万株、100万株という大株主であったとしたら、のんびりと考えている訳には行かないであろう。
株価下落は、それは投資家が負担するリスクであると正論を主張する人は必ずいるであろうが、人災であったとしたら、その正論は100%通じないであろう。株主の怒りは収まらないであろう。
当然損害賠償訴訟が、東電という会社及び東電の経営者、過去の経営者に対してもなされるのでは無かろうか。
放射能汚染に対して、周辺居住者の強制立ち退きが成されようとしている。
これらの人々から損害賠償も後日請求されるだろう。
これらの金額は莫大な金額になる。
東電及び経営者は支払えることが出来るのか。
出来ないといって支払わない行為は、資本主義の社会では許されない。
自由経済のもとで、その恩恵を十二分に受けてきたのである。
その逆の立場になったといって、逃げることは許されない。
東電本社ビルの売却の意思を早く決め、三井不動産か三菱地所に買ってもらった方が良い。
火力発電所の5つ位を電源開発に売り払う方策を早くとった方が良い。
安曇、新高瀬川の水力発電所を中部電力に売り払った方が良い。
売り払った火力発電所・水力発電所を借りて、発電、送電、配電すれば良い。
東京電力の所有する発電所、変電所、送電設備の機械装置・設備装置の市場価値を誰が評価するのか。
日本にこれらを評価出来る人がいるのか。
明日(2011年4月22日)から、アメリカの総合資産評価人の協会であるASAの人が来日し、生産機械装置の評価の講義が3日づつ半年の間に4回計12日間の講義が行われる。アメリカの証券取引委員会が認めているASAの評価人による講義である。
ASAの日本支部が、ASAの講師をアメリカから招いて、英語の日本語への同時通訳で講義を行い、日本で生産機械・設備装置の評価の専門家を育てることにした。
いずれアメリカASA公認の機械・設備装置の評価資格を持った日本人のASA公認資格者が、東京電力はもちろん生産メーカー企業会社の不動産を除く生産機械設備装置の市場価格を評価する日が来ることになろう。
そしてその評価書が、日本の証券取引委員会の上場企業が持つ生産機械設備装置の市場価格の審査判断の必須資料に利用される事になるであろう。
鑑定コラム727) 「ASA(米国鑑定士協会)の機械・設備評価の講座の開催について」
鑑定コラム747) 「田中美知太郎教授はどう云うであろうか(福島第一原子力発電所事故)」
鑑定コラム877) 「2012年3月30日(金)の日経平均株価は10,083円56銭」
鑑定コラム1062)「TPPは不動産鑑定士資格の有名無実化と」
鑑定コラム1063)「2013年3月末の日経平均株価は12,397円91銭」
鑑定コラム1186)「2014年3月31日 日経平均株価は14,827円83銭」
鑑定コラム2066)「2020年3月末 日経平均株価は18,917円01銭」
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