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1204)帝国ホテル営業利益率6.7%(平成26年3月期)

 帝国ホテルの平成26年3月期の決算が、平成26年5月9日に発表された。

 売上高は、

          平成26年3月期    531.55億円
          平成25年3月期    516.33億円

である。

 売上高は、

                531.55億円
             ─────── = 1.029(+2.9%)                      
                516.33億円

2.9%のアップである。

 売上高の内訳は、

     ホテル事業     496.95億円
          不動産賃貸業         34.60億円
            計                531.55億円

である。

 不動産賃貸業の売上高に占める割合は、6.5%である。

 営業利益は、31.71億円である。

 営業利益率は、
 
                 31.71億円
             ─────── = 0.067                               
                531.55億円

6.7%である。

 日本のトップクラスのシティホテルの営業利益率は、6.7%前後である。

 帝国ホテルの決算短信は、平成25年の1年間のホテル業界の状況を次の様に総括する。

 @ 円安による訪日外国人の客数が増加した。
 A 観光ビザ発給要件の緩和による外国人の客数が増加した。
 B 消費マインドの改善に伴う日本人利用客が増えた。

とプラス面を指摘する。

 一方、マイナス要因として、

 C ホテル間の販売競争が激化した。
 D 光熱費等のコストが増加した。

と述べる。

 マイナス要因よりプラス要因が優り、宿泊業としては、「良好な経営環境となりました」と云う。

 平成26年のホテル業界の見通しとして、帝国ホテルの決算短信は、次の要因を挙げる。

   @ 政府の観光立国推進に向けた各種施策になる訪日外国人客数の増加
   A 木木様収益の改善に伴う法人宴会の利用増
   B 東京オリンビック・パラリンピックの開催決定の追い風
   C ホテル間の販売競争の激化

を挙げ、見通しとしては「良好な経営環境の継続が期待されます」と云う。
 消費税8%アップによる影響はさほどでは無いと判断しているのか、それによる業績への影響を強く言及していない。

 6年後の東京オリンピック開催決定がホテル業にとって、早々と「追い風」と受け止めているようである。

 そうした「良好な経営環境の継続が期待」から、来期平成27年3月期の見通しは、売上高は542億円、営業利益は38億円と予測する。

 ホテルは、景気の好不況を受けやすい業種である。
 それ故、逆にホテルの業績から、好不況の判断がし易いということが云える。

 平成26年の日本経済は、私は消費税8%(平成26年4月1日より実施)の影響で不安があると思っているが、帝国ホテルの来期決算見通しから判断すると、消費税の8%アップを乗り越えて、経済は崩れず、順調に推移するとホテル業界は判断してしているようである。この事は1年後に分かろう。


  鑑定コラム1079)
「帝国ホテル営業利益44%アップ(平成25年3月期)」

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  鑑定コラム1219)「帝国ホテルの1室料金は」

  鑑定コラム1360)「帝国ホテル営業利益率7.2%(平成27年3月期)」



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