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丸ビルの建物価格を分析する。
丸ビルは、平成14年(2002年)8月に竣工している。
鉄骨造・一部鉄骨鉄筋コンクリート造地上37階建地下4階、延床面積159,838.66uである。
鑑定コラム823)「ある超高層事務所ビルの建築費」で、丸ビルの事業費を650億円と記した。
2012年3月期の三菱地所の決算の附属資料であるファクトブックを見ていたところ、丸ビルの事業費は581億円と記してあった。鑑定コラム823)の650億円とは異なる数値である。650億円は総事業費と解釈し、丸ビルの建物建築費は581億円と判断する。
u当り建築工事費は、
58,100,000,000円
────────── = 363,492円≒363,000円
159,838.66u
u当り363,000円である。
建築工事費の推移を見るのには、棟数の少ないSRC造のデータよりも、RC造の建物は棟数が多いことから、建築工事費が安定している。
このことから建築工事費の推移を見るには、RC造工事費の方が優れている。
国交省発表の平成14年1月〜12月の東京の鉄筋コンクリートの建設データは、下記である。
棟数 4,416棟
延べ床面積 6,489,215u
工事費予定額 127,664,026万円
これより、
127,664,026万円
───────── = 19.67万円
6,489,215u
u当り19.67万円である。
丸ビルの建築工事費は、u当り363,000円であるから、建築当時の東京RC造の平均工事費よりも、
363,000円
────── ≒ 1.85
196,700円
1.85倍高い建築工事費であったと云える。
超高層建物の工事費が、RC造の平均工事費より、どの位高い水準にあるのかの一つの例になろう。
平成27年の建設統計データは、発表されていないことから、発表されている平成26年のデータの結果を、現時点の結果として使用する。
国交省発表の平成26年(2014年)1月〜12月の東京のRC造建設統計データは、下記である。
棟数 3,108棟
延べ床面積 5,408,014u
工事費予定額 142,950,750万円
これより、
142,950,750万円
───────── = 26.43万円
5,408,014u
u当り26.43万円である。
建築工事費は、平成14年から平成26年迄に、
26.43万円
────── = 1.344
19.67万円
1.344倍値上りしたということになる。
丸ビルの平成14年の建築工事費は、581億円であった。
現在新しく造った場合の丸ビルの再調達原価は、
581億円×1.344 ≒ 781億円
である。
全経済的耐用年数を50年とする。
2015年の現在まで13年経過している。
残存耐用年数は、
50年−13年 = 37年
である。
減価修正は、
イ、中古である 0.8
ロ、経年減価 0.74
37/50=0.74
ハ、その他 1.0
である。
現在価値は、
0.8×0.74×1.0=0.592
である。
建物価格は、
781億円×0.592=462億円
である。
丸ビルの建物価格は、462億円と求められた。
なお、減価修正の「中古である」の0.8の修正は、新築建物の市場と中古建物の市場とは異なることによる修正である。
固定資産税の鉄筋コンクリートのマンションの課税評価格の経年減点補正率は、経過年数1年(1年未満も含む)の修正率は0.8である。
これは中古の要因を考えて修正しているものと思われる。
ちなみに5年までの補正率を記すと、下記である。
経過年数 経年減点補正率
1 0.8
2 0.75
3 0.7
4 0.6912
5 0.6825
この減点補正率の減点状況を見ると、これは定率法の補正の仕方である。
鑑定コラム823)「ある超高層事務所ビルの建築費」
鑑定コラム221)「新築中古」
鑑定コラム1380)「丸ビルの賃料の推測」
鑑定コラム1386)「丸ビルの敷金の推測」
鑑定コラム1387)「丸ビルの必要諸経費の推測」
鑑定コラム1389)「丸ビルの土地価格」
鑑定コラム1390)「丸ビルの還元利回り」
鑑定コラム1391)「丸ビルの減価償却後還元利回り」
鑑定コラム1392)「丸ビルの賃料、還元利回りの分析を終えて」
鑑定コラム1644)「丸ビルの償却後還元利回りが2%割れしそうだ」
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