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鑑定コラム2741)で、三菱地所が発表した2024年3月期の決算書の附属説明書(FACT BOOK ファクトブック)によって、三菱村と呼ばれる東京丸の内地区の2024年3月期のビル賃料は、u当り12,967円、坪当り42,866円と求めた。
この丸の内地区の平均ビル賃料から、丸ビルの賃料を推測する。
土地単価は、尺貫法の坪表示で見聞きした方がしっくり来るので、以下土地価格の単価は、坪当りの価格で述べる。
分析推測の仕方は、2017年2月に発売された『改訂増補 賃料<地代・家賃>評価の実際』(プログレス 電話03-6457-8627)のP431〜469に論述されている「丸ビルの還元利回り」の分析方法で行っている分析と同じである。
その求め方は、鑑定コラム1380)「丸ビルの賃料の推測」にも記している。
標準偏差は、変動係数を0.322として、次の如く求める。
丸の内地区の平均事務所賃料は、上記より坪当り42,866円である。
標準偏差は、
42,866円×0.322=13,803
である。
丸ビルの立地、品等は、丸の内地区にあって100棟のビルにあって、優れた方の2.5%の範囲に入るビルと判断する。
賃料は人間生活の営みの中の一つの経済行為であり、正規分布に従うとすれば、優れた方の2.5%の出現率のZ値は、1.96である。
42,866円+13,803×1.96=69,920円
2024年3月の丸ビルの坪当り賃料を69,920円と推測する。
丸ビルの賃料は、坪6万9千円余になった。過去最高賃料である。もう少しで7万円である。
丸ビルの賃料推移を記すと、
平成27年3月 坪当り59,000円
平成29年3月 坪当り62,242円
平成30年3月 坪当り60,829円
平成31年3月 坪当り61,546円
2020年3月 坪当り62,910円
2021年3月 坪当り64,349円
2022年3月 坪当り65,563円
2023年3月 坪当り66,637円
2024年3月 坪当り69,920円
である。
同様にして求められた丸ビルの賃料をグラフにしたのが、下記である。
なお、この分析は不動産鑑定士田原拓治の分析によるものであり、丸ビルの賃料が実際に上記の賃料であると云うものでは無い。
鑑定コラム1380)「丸ビルの賃料の推測」
鑑定コラム2392)「丸の内の家賃坪4万円台になる」
鑑定コラム2593)「丸の内地区のビル賃料はu当り12,358円(2023年3月)、過去最高」
鑑定コラム2741)「丸の内地区のビル賃料はu当り12,967円(2024年3月)、過去最高」
鑑定コラム2744)「「officee」という不動産仲介業者の丸の内募集賃料」
鑑定コラム2745)「丸ビル敷地に設定の地価公示千代田5-2の収益価格の設定賃料は安すぎる」
鑑定コラム2754)「2024年3月 丸ビルの償却前還元利回りは2.51% 2023年3月は2.41%」
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