2768) 1年前の令和5年7月1日の鑑定コラムアクセス統計との比較
鑑定コラム2764)で、令和6年7月1日付の令和6年4月1日〜6月30日迄の鑑定コラムアクセス統計の記事をアップした。
アクセス1位は、大阪IRに関する記事の「不動産鑑定士10人措置請求される」の鑑定コラム2732)であった。
1年前の令和5年7月1日の鑑定コラムアクセス統計は、どういう内容であったろうかと思い、振り返って見る。
日本経済等を論じている訳でなく、不動産の価格と賃料に影響を与える要因についてと、そして不動産鑑定業界の狭い世界の、その又私の業務範囲という甚だ狭い範囲でのコラム記事の比較であり、余り面白く無い内容であるが、1年前を振り返って見ることもたまには良いでは無かろうかと思い記す。10位までの記事とする。
令和5年7月1日のアクセストップは、「330億円のホテルの売買」(鑑定コラム218)である。
ホテルの売買価格の記事がトップである。
ホテルの賃料に関する「売上高の28%がホテルの賃料という鑑定書」(鑑定コラム293)が、7位に入っている。
何故ホテルの価格記事がトップに成るのかという疑問が、当然生じるのは当り前であろう。
東京オリンピック大会開催を1年遅らせる程の感染拡大の猛威を振るった新型コロナウイルスの感染拡大によって、業績が悪くなって閉鎖・倒産のホテルが急増した。
それに伴い、ホテルの売買・経営権の譲渡・ホテルの賃貸借がかなり行われた。
その事が、ホテルの価格・賃料について記している当鑑定コラムへのアクセス増加に繋がったのでは無かろうかと推定される。
令和6年7月1日のトップ記事は、大阪IRに関する記事であったが、1年前にも大阪IR記事が9位に入っている。
「大石あきこ衆議院議員の2023年2月22日国会予算委員会の大阪夢洲質疑議事録」(鑑定コラム2574)である。
「国会の予算委員会に取り上げられると云うことは、その質疑内容が国会議事録として永久に保存されて残り、それは、後日の歴史研究の第1級の証拠品になり得るものである。
歴史研究の第1級の証拠品を作る原因を私は作ったということになるか。」
と同鑑定コラムに自分の手柄のごとく記している事を快く思わない人もいるであろうが、そこは余り目くじらたてずに読み流されたい。
大石あきこ議員は、私が2023年1月30日(月)、大阪毎日放送(MBS)の『よんチャンTV』に出て、土地単価、地代利回り、地代単価の3つの値で、3不動産鑑定業者が一致する事など100%あり得ないと発言したことに対して、「50年戦士の鑑定士さんもよく出て明言してくれた」とツイッターでつぶやいて下さった方である。(鑑定コラム2556「大阪夢州の不動産鑑定に違法性有り 衆議院予算委員会に質疑される」)
令和5年7月のコラムアクセス3位に、晴海選手村土地廉売事件の記事が入っている。
東京都側鑑定会社の猛烈な田原意見への批判・反論である鑑定コラム2587)の「晴海選手村土地控訴審採用意見書の『中古マンション値づけ法』の駅距離修正率への激しい批判について」の記事である。
都側鑑定会社の主張が妥当・適正であると認めるとすると、不動産取引業者が中古マンション購入者に、中古マンション査定マニュアルに基づいて提示している価格は全て不当・間違っていることになる。
不動産業者は、間違った不適正な中古マンション価格で、客に売りつけているということになるが、国交省がその様なことを認めるハズが無かろう。
コラム記事の中で、東京都側鑑定会社の主張が全て間違っていることが、算式を使って論理的に証明されている。
都側鑑定会社は、都有地価格を安くせんがために、開発法という手法を採用した。
その手法は、分譲マンションを想定し、分譲マンション価格から建築工事費等を差し引いたのが土地価格であると云う手法である。
算式から、分譲マンション価格を安く設定し、建築費を高く設定すれば、土地価格は安く求められることが充分推定される手法である。
都側鑑定は、晴海選手村の板状分譲マンション価格(オリンピック終了後は「晴海フラッグと呼ばれる板状分譲マンションの価格」)をu当り77万円と設定した。
田原意見書は、周辺の分譲マンション価格を統計数理の多変量解析の手法によってu当り97.88万円が板状マンションの適正価格であると指摘した。
都側鑑定会社は、77万円/uが適正価格であると主張する必要があるために、田原意見書は間違いであると甚だしく反論し、その根拠として、公益財団法人不動産流通推進センターの中古マンション査定マニュアル評点は間違っていると批判してきたのである。
公益財団法人不動産流通推進センター及び国土交通省は、都側鑑定会社のこの行為をどう判断されるのか。コケにされたのである。見て見ぬふりをするのか。
現在の晴海フラッグ板状マンション売買価格のu当り189万円(坪当り624万円)と見比べて、77万円/uの分譲マンションの設定価格が甚だ安すぎたと思わないのか。
4位と5位に、不動産鑑定士鵜野和夫先生が亡くなられた記事が2つ入っている。
鑑定コラム2573)「鵜野和夫(税理士・不動産鑑定士)先生の死を悼む」と鑑定コラム2595)「東京一ツ橋 如水会館での鵜野和夫先生お別れ会」である。
それぞれのコラム記事を読みながら、1年前を想い出す。
令和5年7月1日のアクセス統計一覧は、下記である。
1位 鑑定コラム218)「330億円のホテルの売買」 2位 鑑定コラム174)「ゴルフ場の固定資産税は高すぎる」 4位 鑑定コラム2573)「鵜野和夫(税理士・不動産鑑定士)先生の死を悼む」 5位 鑑定コラム2595)「東京一ツ橋 如水会館での鵜野和夫先生お別れ会」
6位 鑑定コラム380)「国内で森林を所有する民間企業ベスト4」 7位 鑑定コラム293)「売上高の28%がホテルの賃料という鑑定書」 8位 鑑定コラム2580)「大学の講義が始まった 不動産鑑定評価とはどういうものか学生に話す」 9位 鑑定コラム2574)「大石あきこ衆議員の2023年2月22日国会予算委員会の大阪夢洲質疑議事録」 10位 鑑定コラム2598)「地価公示千代田5-2丸ビル土地上設定のビル賃料は 坪当り4.67万円」