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407)2007年不動産業への国内銀行新規貸出額10兆円

 日本銀行が、2007年10月〜12月の間における国内銀行の新規貸出額を発表した。(2008年2月8日 日本銀行ホームページ)

 それによれば、国内銀行の新規設備投資貸出額は、99,366億円である。9.9兆円が、国内銀行の全産業への2007年第4四半期の新規貸出総額である。

 このうち不動産業への新規貸出額は、23,955億円である。約2.4兆円である。

 全産業の新規貸出額に占める不動産業への新規貸出額に占める割合は、
       23,955億円÷99,366億円=0.241
24.1%である。

 2007年1年間の国内銀行の総新規貸出額と不動産業への額及び不動産業貸出額の割合は、次の通りである。単位億円。

      四半期           総貸出額       不動産業        割合
 2007年1〜3月         121,206    29,681     0.245
 2007年4〜6月          91,652    22,311     0.243
 2007年7〜9月         103,337    24,942     0.241
 2007年10〜12月       99,306    23,955     0.241
    合計               415,501       100,889          0.243

 不動産業への新規貸出額が10兆円になった。

 不動産業への新規貸出額が10兆円を越したのは、過去1度ある。
 それは、平成元年(1989年)の10.4兆円である。
 つまり、不動産バブル経済絶頂期の時のみである。

 今、その不動産バブル経済絶頂期と同じ金額が、不動産業に流れ込んでいる。
 まさに不動産バブル経済の再来といえる。

 平成元年の時の不動産業新規貸出額の占める割合は、18.3%であった。
 平成19年(2007年)は24.3%である。
 この貸出占有割合は、異常では無かろうか。

 全産業への国内銀行の新規貸出額は減っている。
   2006年(平成18年)     41.9兆円
   2007年(平成19年) 41.6兆円
である。

 不動産業への新規貸出額は、
   2006年(平成18年)      9.2兆円
   2007年(平成19年) 10.1兆円
と増えている。

 即ち、全産業への国内銀行の貸出額は減っているにも係わらず、不動産業への新規貸出額は、逆に増え、金額ではバブル経済時期とほぼ同じ10兆円の大台に乗せ、総貸出額に占める割合は24.3%になった。

 いつ終わるのか果てしなく長く続く日銀の超低金利政策とお金の垂れ流し政策という愚策が、不動産価格にどういう影響を与え、日本経済にどう影響しているのか、良く考えるべきであろう。


 不動産貸出額と地価の関係について述べた記事は、下記の鑑定コラムにも有ります。

  鑑定コラム291)「バブル時に迫る銀行の不動産業への新規貸出額」

  鑑定コラム316)「不動産ファンドへの貸出規制」

  鑑定コラム352)「地価摩擦係数」

  鑑定コラム388)「日本は不動産業国家ではない」

  鑑定コラム956)「直近年間不動産業への新規貸出額8兆円」

  鑑定コラム1082)「不動産業新規融資前年同期比16.1%アップ(2013年1〜3月)」

  鑑定コラム1114)「25年6月直近年間不動産業新規融資額8.8兆円」


 日銀の低金利政策とサブプライムローンについては、下記の鑑定コラムが有ります。
 鑑定コラム386)「日銀はいつまで超低金利政策を続けるのか」

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