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私が住む近くに牛丼チェーン店の「すき家」がある。
年に多くは無いが、時々利用していた。
現在「改装リニューアル中」の看板が出ており、営業していない。
改装リニューアルは、大抵長くても2週間程度で終わるのが一般的と私は思うが、その店は営業を停止して、もうかれこれ半年にもなろうとしている。
店の中は、外部からガラス越しに良く見ることが出来、改装工事が行われている様子も見られない。
閉店撤退であれば、その旨の店頭表示になるであろうが、「改装リニューアル中」の店頭の掲示文言表示では、閉店撤退で無く、一時営業休止と判断される。
一時営業休止も半年近くにも及ぶと、「ちよっとおかしいぞ」と考えたくなる。
2014年7月31日のNHKが、ニュースで、「すき家」の店舗展開している「株式会社ゼンショーホールディングス」に第三者委員会が報告書を手渡したということを伝える。
第三者委員会の報告書というのは何かと云うと、「株式会社ゼンショーホールディングス」が、従業員の労働環境の改善を検討する第三者委員会という委員会を設置し、その委員会が調査し、まとめた報告書である。
報告書の内容がどういうものか私には分からないが、そのニュースの中でNHKが下記のことを伝えていた。
すき家の店舗は、全国で、
「今年4月までに123店舗が一時休業している」
と。
私が住む近くの休業しているすき家の店舗も、休業している123店舗の中の1店舗と云うことになるのか。
株式会社ゼンショーホールディングスの2014年3月期の売上高と営業利益は、有価証券報告書によれば、
売上高 468,377百万円
営業利益 8,134百万円
である。
店舗数は4,792店舗である。
損益計算書によれば、地代家賃は46,962百万円である。
地代家賃の年間支払い額は約470億円である。半端な金額では無い。
1店舗当りの売上高は、
468,377百万円
──────── = 97.74百万円
4,792
年間9774万円である。
月額売上高は、
9774万円÷12=815万円
である。
1日当りの売上高は、
9774万円÷365日=26.8万円
である。
売上高に占める地代家賃は、
46,962百万円
──────── = 0.100
468,377百万円
0.100である。即ち売上高の10%が地代家賃である。
借地は殆ど無いと思われることから、損益計算書の地代家賃の金額は家賃の金額と考えられる。
「飲食店の家賃割合は10%」という、鑑定コラム18),1012)で述べている割合を実証するデータと正に云える。
休業店舗数は123店舗である。
この店舗の得べかりし売上高は、
97.74百万円×123=12,022百万円
である。
賃借店舗の家賃は、店舗営業が休止していても、建物所有者の賃貸人に支払わなければならない。
支払賃料は、
12,022百万円×0.10=1,202百万円
12.02億円支払わなければならない。
休業店舗123店舗からは1円の金も入ってこない。
収入0円であるが、12億円の家賃は支払わなければならない。
この状態の企業経営は厳しいものである。
いつまでも123店舗を休業状態にしておけるほど、ゼンショーの経営は余裕があるのであろうか。
たかが家賃と侮っていると、家賃の支払いが経営を脅かす存在になってくる。
家賃を侮っていてはいけない。
長期営業休止していた店舗が再開したとしても、以前の売上高が得られない。
それは企業経営者は当然知っていると思われるが、一旦失った顧客はなかなか戻って来てくれない。
従前の8掛けの売上高しか得られないことで、経営計画を立てることである。
鑑定コラム743)「「すき家」強盗対策をしっかり行え ! 」
鑑定コラム976)「ゼンショーの店舗家賃は売上高の10%」
鑑定コラム977)「ゼンショー牛丼店の投下資本回転率は2.0」
鑑定コラム18)「店舗売上高と家賃割合」
鑑定コラム1012)「店舗売上高と家賃割合の追加」
鑑定コラム139)「2003年12月30日夜NHKニュースのヘッドライン」
鑑定コラム25)「牛どん吉野家の家賃6%」
鑑定コラム1404)「牛丼「すき家」の家賃は売上高の9.6%」
鑑定コラム1555)「ゼンショーのもう1つの方向」
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