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1054)商業地価は値上り始めた(2013年1月)

 国内銀行の不動産業への新規貸出額が8.2兆円になり、3度目の不動産バブルの道を懲りずに進むのかという記事を、最近書いた。(鑑定コラム1049「不動産業への新規融資8.2兆円 要注意だ」)

 やはり商業地の地価は、底を脱して値上がり始めた。

 一般財団法人土地総合研究所が、『不動産業業況等調査結果』を発表している。

 平成25年2月22日に、平成25年1月時点の調査結果を発表した。

 その調査の中に不動産流通業の不動産業業況指数がある。

 経営状況のDI値は、住宅地と商業地に分かれている。

 住宅地の経営状況のDI値は、四半期毎に調べられている。
 商業地の経営状況のDI値は、1月と7月の年2回のみである。

 一般財団法人土地総合研究所が発表する商業地の経営状況のDI値は、

      平成25年1月1日時点   27.8

になった。

 6ヶ月前の平成24年7月時点のDI値は、「0」 であった。

 「0」から「27.8」にアップした。

 このことは、商業地の土地価格は、底値から上昇に転じたことを意味する。

 商業地の地価は、上昇し始めた。
 地価上昇することは良いが、バブル現象を形成する上昇をしないように願う。

 土地総合研究所の調査は、「代表的商業地における6ヶ月後の地価見通し」の調査も行っている。

 それによれば、東京の日本橋、銀座等の商業地の上昇等の見通しは、下記の通りである。

      上昇    58社
      下落     5社  
            横ばい   57社

である。

 DI値を求めれば、

             (58−5)/120×100=+44.1

+44.1である。
 (注)上値、下値を2倍しない。

 6ヶ月後にこの通りの数値になったら大変だ。

 大阪、名古屋の「代表的商業地における6ヶ月後の地価見通し」は、下記である。

                     上昇         下落           横ばい

  大阪       2社     4社      12社   名古屋 1社     4社      13社

 大阪、名古屋は未だ地価上昇に転じていない。
 大阪、名古屋は東京より遅れることから、この結果は当然の結果である。

 DI値がプラスマイナス0である時は、

   イ、地価が底を打った時
   ロ、地価が天井を打った時

のいずれかである。

 平成24年7月1日にDI値が0になったということは、今迄地価が下がり傾向にあったのであるから、地価が下げ止まったと言うことである。

 即ち、商業地の土地価格は、底を打ったと云うことである。

 DI値が0を突破し、それも大きく+数値になったことは、はっきりと上昇に価格転換したことになる。

 平成19年1月以降の商業地の経営状況のDI値を下記に記す。

    平成19年1月      50.0
        平成19年7月            13.6
        平成20年1月     −40.0
        平成20年7月     −72.2

平成21年1月     −80.0 平成21年7月     −55.0 平成22年1月     −55.0 平成22年7月     − 5.6
平成23年1月     − 5.0 平成23年7月     −16.7 平成24年1月     − 6.3 平成24年7月      0.0 平成25年1月     +27.8


  鑑定コラム944)
「商業地価は底(2012年7月)」

  鑑定コラム1049)「不動産業への新規融資8.2兆円 要注意だ」

  鑑定コラム507)「不動産業の業況の分水嶺は2007年7月だった」

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  鑑定コラム1098)「東京住宅地価上昇地域は広がった(25年7月)」

  鑑定コラム1115)「地価は値上りしている 土地総研DI値25年7月」

  鑑定コラム1142)「住宅地の地価の上昇は鈍化か」

  鑑定コラム1176)「住宅地の地価は緩やかに上昇している」


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