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2065)2020年銀座山野楽器店公示地の土地還元利回りは2.5%(償却後)

1.はじめに

 国土交通省が、2020年(令和2年)1月1日時点の地価公示価格を、2020年3月19日に発表した。

 東京の最高地価公示価格は、中央区銀座4丁目銀座中央通りに面する山野楽器店のビルの敷地(公示地番号 東京中央5-22)であった。

 数年前より地価公示価格の鑑定書が公表されるようになった。その公表されている地価公示価格鑑定書の中に収益還元法による収益価格が求められている。

 この収益価格のデータを使用して、日本の最高地価の土地還元利回りはどれ程か分析して見る。

2.日本最高地価の公示地の所在等

 日本最高地価の公示価格の所在等は、下記のとおりである。

  所在    東京都中央区銀座4丁目5番6号(住居表示)
  土地価格  u当り5770万円(令和2年1月1日時点)
  土地面積  454u
  利用現況  鉄骨造8階建(地下2階付)
  用途    店舗兼事務所 
  道路巾員  27メートル 国道
  用途地域  商業地
  容積率   800% 
    交通駅   東京メトロ地下鉄銀座線「銀座」駅近接

3.還元利回りとは

@還元利回りとは

 還元利回りとは、不動産の価格を求める場合に、純収益(純賃料)と不動産の価格を取り持つ利回りをいう。

 算式にすれば、

                純収益(純賃料)÷還元利回り=土地、建物の価格
である。

 不動産鑑定評価基準は、還元利回りとは「一期間の純収益から対象不動産の価格を直接求める際に使用される率」(平成26年改正鑑定基準 国交省版P30)と記述している。

A還元利回りの種類

 還元利回りの種類として、3つの還元利回りがある。

 土地建物が一体となって不動産を形成している複合不動産の還元利回りは、総合還元利回りと云う。

 土地、建物が個別に形成している還元利回りは、それぞれ土地還元利回り、建物還元利回りと云う。

 この3つの還元利回りの関係は密接に関係している。3つの還元利回りは、下記の算式の関係にある。

          土地価格×土地還元利回り+建物価格×建物還元利回り
       ───────────────────────────       
                      土地価格+建物価格

=総合還元利回り

B還元利回りの類型

イ、還元利回りの類型

 還元利回りの類型として、償却後還元利回り、償却前還元利回りがある。

 賃料は、
     純賃料+必要諸経費
で形成される。

 そして、必要諸経費は、
    減価償却費+公租公課+修繕費+維持管理費+火災保険料
で構成される。

 上記必要諸経費を構成する費用項目のうち、減価償却費を費用として計上するかしないかによって、償却後還元利回り、償却前還元利回りに分かれる。

 純収益、還元利回り、不動産価格の関係は、前記の算式の関係にあるが、その算式を変型すると、下記である。

          純収益
               ─────── =還元利回り                          
         不動産価格

 償却後還元利回りは、必要諸経費に減価償却費を入れて純収益を求め、その純収益を土地建物の価格で除した還元利回りである。

 償却後還元利回りの純収益には減価償却費が含まれない。必要諸経費の中で減価償却費は処理されることから純収益は償却後のものである。それ故、償却後還元利回りと呼ばれる。

 一方償却前還元利回りは、必要諸経費に減価償却費を入れずに純収益を求め、その純収益を土地建物の価格で除した還元利回りである。

 償却前還元利回りの減価償却費は、必要諸経費の中で処理されないことから、純収益の中に入っていることになる。純収益は償却前のものである。それ故、償却前還元利回りと呼ばれる。

ロ、平成バブルまでは償却後還元利回りだった

 平成バブルまでは、償却後還元利回りが使われていたが、平成バブル崩壊後にアメリカの商業銀行が、日本の不動産の不良債権処理に関連して日本に本格的に上陸し、不良債権処理に伴い使用したのが償却前還元利回りであった。

 これにより、日本の不動産鑑定も償却前還元利回りを使用するようになり、現在は価格評価は殆ど償却前還元利回りが使用されている。

ハ、賃料評価は償却後期待利回り

 賃料評価の場合、使用する利回りは還元利回りとは云わず、期待利回りという。

 期待利回りとは、賃料の純賃料を求める場合に、不動産の価格と純賃料(純収益)を取り持つ利回りをいう。

 元本を土地建物、果実を賃料とすれば、元本と果実の間を取り持つ利回りを期待利回りと云う。

 期待利回りと土地建物価格、純賃料の関係は下記である。

      土地、建物の価格×期待利回り=純収益(純賃料)

 前記した還元利回りの場合は、下記であった。

      純収益(純賃料)÷還元利回り=土地、建物の価格

 利回りの使用で、利回りで割るか、利回りを掛けるかの違いである。割る場合が価格を求める場合で還元利回り、掛ける場合は賃料を求める場合で期待利回りと呼ぶ。

 還元利回りと期待利回りは表裏の関係にあるということになる。但し全ての場合に表裏の関係にあるというものでは無い。

 その期待利回りも、価格評価で使用する還元利回りに影響されて、償却前期待利回りが使用されだした。

 鑑定評価基準の必要諸経費の説明において、減価償却費について、次のごとく記す。

 「減価償却費(償却前の純収益に対応する期待利回りを用いる場合には、計上しない。」(平成26年改正鑑定基準 国交省版P33)

 私は、価格評価の場合には償却前還元利回りを使用してもよいが、賃料評価の場合には償却後期待利回りを使用すべきと思う。

 その理由は、次のごとく考えるからである。

 減価償却費は、建物投下資本を回収するという目的を持っている。

 価格評価の場合は、減価償却費を考えなくとも売払った価格で投下資本を回収するのであり、減価償却費をことさら考えなくともよい。

 賃料の場合は、建物を売却することを考えない。30年とか50年の長期間の所有によって建物投下資本を毎年に分割して回収する。

 そのため、現在どれ程の投下資本の回収がなされているのか常に知っておく必要がある。必要諸経費で減価償却費として経費計上することによって投下資本がどれだけ回収されたか知る必要がある。未回収がどれ程残っているか知る必要がある。

 もう1つ大きな理由がある。それは下記である。

 地代の新規地代を求めるには賃貸事業分析法を行うが、その手法で土地残余する収益を求めるのに、必要諸経費に減価償却費を入れて求めるべきであるが、減価償却費を必要諸経費に入れずに土地収益(償却前純収益)を求めると、その土地残余収益は、純地代となることから、借地人が減価償却費を地代として支払うと云うことになってしまう。

 借地にあっては、建物は借地人が借地人の資金負担で建物を建てるのである。

 減価償却費の目的は、建物投下資本の回収であり、借地の場合、その回収者は建物を建てた借地人である。

 減価償却費を必要諸経費に入れないと、純収益(純地代)の一部として減価償却費が賃貸人に渡り、その減価償却費が含まれる純地代を地代として、借地人が賃貸人に支払うと云うことになる。

 賃貸人は建物建設の費用を一銭も出していないにも係わらず、借地人が建物に投下した金額を地代として手にすることになる。この様な理不尽、非論理的なことはないであろう。

 こうした理由から、私は、賃料評価の必要諸経費には、減価償却費を入れるべきと考えている。

4.東京中央公示5-22の土地上の想定建物

 地価公示は更地の価格を表示している。更地価格は、その土地が最有効使用される状態の土地価格である。

 東京中央5-22の土地は現実の使用は、鉄骨造8階建の建物の敷地として利用されているが、その建物使用は最有効使用の状態にある訳ではない。

 最有効使用の土地利用として、下記の建物が想定されている。
 
  構造  鉄骨造12階建(地下3階付)
    用途  店舗兼事務所(賃貸)
  延床面積  5321u
  賃貸面積  4241.71u

5.収支

 以下に、東京中央公示5-22の土地上に想定された賃貸建物の収支を記すが、保証金の運用益利率は、公示鑑定書は1.0%を使用しているが、0.5%として計算する。それ故、総収入、純収益等の数値は公示鑑定書の数値とは異なって来る。

@ 収入
  イ、賃貸収入  月額77,980,700円×12ヶ月= 935,768,400円 
  ロ、共益費   月額7,058,205円×12ヶ月=   84,698,465円 
  ハ、駐車場                  19,800,000円
    ニ、保証金運用益 1,094,744,400円×0.005=   5,473,722円 
  ホ、空室損失相当                           ▲35,411,672円
          小計                1,010,328,913円
 
A 支出                   246,487,349円
  修繕費 維持管理費 公租公課 火災保険 その他
  減価償却費は計上されていない。

B 純収益 収益−支出           793,841,564円
                       ≒793,800,000円
上記純収益は、償却前純収益である。

6.土地建物価格

@ 土地価格
  土地単価は、発表されている地価公示価格のu当り価格を採用する。
       57,700,000円×454u=26,195,800,000円

A 建物価格            1,990,000,000円
 想定されている建物価格を使用する。
 
B 土地建物価格          28,185,800,000円

7.総合還元利回り

@ 償却前総合還元利回り
 総合還元利回りの求める算式は、
                    純収益
                ─────── = 総合還元利回り                    
                 土地建物価格
である。

 算式に、上記で求められた価格を代入する。

               793,800,000円
            ───────── =0.027099≒0.0271                   
            28,185,800,000円

 総合還元利回りは、2.71%である。

 この総合還元利回りは、必要諸経費に減価償却費は計上されていないことから、償却前総合還元利回りである。

A 減価償却費率

 イ、建物価格      1,990,000,000円

 ロ、経済的耐用年数

   新築建物を想定している。経済的耐用年数を50年とする。

ハ、減価償却費

   減価償却費は、
                   1,990,000,000円÷50=39,800,000円
  である。

 ニ、減価償却費率

   減価償却費率は、減価償却費の土地建物の価格に対する割合である。

   
             減価償却費        39,800,000円
           ──────────────────  =0.0014           
             土地建物価格     28,185,800,000円

B 償却後総合還元利回り
 償却後総合還元利回りは、償却前総合還元利回りから減価償却費率を減じた利回りである。

               0.0271−0.0014=0.0257≒0.026

 或いは、減価償却後純収益を土地建物価格で除した利回りである。

 減価償却後純収益は、
       763,800,000円−39,800,000円=724,000,000円
  である。

                 724,000,000円
             ─────────  ≒ 0.026                           
              28,185,800,000円

C 日本のトップクラスの不動産会社の賃貸ビルの総合還元利回り
 上記で地価公示東京中央5-22の土地上に想定した賃貸ビルの総合還元利回りは、

    
      償却前総合還元利回り  2.71%
      償却後総合還元利回り  2.60%
と求められた。

 日本のトップクラスの不動産会社の所有する賃貸ビルの総合還元利回りはどれ程であろうか。

 私は、三菱地所、三井不動産、住友不動産、野村不動産、東京建物の有価証券報告書より、賃貸ビルの総合還元利回りを分析して見た。

 その分析について、不動産鑑定実務理論雑誌の『Evaluation』70号(2020年1月30日発行 プログレス)に掲載された「還元利回り・期待利回りの求め方」の論文に記した。

 決算期が異なるが、日本のトップクラスの不動産業会社が所有し賃貸しているビルの各決算期末の総合還元利回りは、下記である。

                償却前      償却後 (決算期)

    三菱地所     3.1%   2.8% (2019年3月)    三井不動産 3.5%   2.5% (2018年3月) 住友不動産 3.1%   2.5% (2018年3月) 野村不動産 4.9%   3.2% (2018年3月) 東京建物  3.8%   2.8% (2017年12月)                        (同誌P61)

8.土地還元利回り・建物還元利回り

@ 土地還元利回り
 土地の還元利回りは5%等であるのごとく、前もって分かるものでは無い。又決まっているものでは無い。土地還元利回りは、総合還元利回りと、土地価格、建物価格とによって求められるものである。

 土地の還元利回りは、求める前は未知であるから、Xとする。

A 建物還元利回り
 建物の還元利回りは、土地の還元利回りよりも高い。

 それは、建物はある程度の年限が来ると償却され、新しい建物に建替えなければならないために再建築費が必要であり、その建築費を蓄えておかねばならないためである。

 建物の還元利回りが土地の還元利回りより高いのは、この建物償却分相当の利益率が土地還元利回りに加算されているためである。この建物償却分相当の利益率を償還基金率相当とする。
 
 土地の還元利回りをXとした。

 建物の還元利回りは、
                      X+償還基金率相当
となる。

B 償還基金率
 償還基金率とは、n年後1円にするために毎期末に預託すべき率をいう。

 耐用年数n年の建物の取得価格を、n年後に再取得するために、年利率rで年末に一定額を償却額として積立てる場合に使用する率が償還基金率である。

 償還基金率の算式は
                               r
                   ───────────                           
                      (1+r)のn乗 −1 

            但し、r:利率
               n:年数

である。年金終価率の逆数である。

 償還基金率を求めるためには、利率が必要である。その利率をどうするかと云うことになる。

 償還基金率は、現在の建物価格をn年後に再取得するための利率であることから、対象建物の経済的耐用年数を無視して考えることは出来ない。

 経済的耐用年数n年で再取得することは、価格をn年で償却することと同じと判断してもよい。その平均償却率は1/nである。この平均償却率1/nを利率にして求めれば、再取得価格を求めることが可能である。

 この様に考えて、償還基金率は利率1/n、期間はnとして、算式に入れて求める。

 本件の場合、経済的残存耐用年数は50年である。平均償却率は
               1÷50=0.02
0.02となる。

 利率0.02、期間50年を上記償還基金率の算式に代入すると、

                               0.02
                   ───────────  = 0.011823≒0.012       
                   (1+0.02)の50乗 −1

である。

 期間50年、利率2.0%の償還基金率は1.2%と求められる。

 建物の還元利回りは、
                   X+0.012
となる。

C 償却前土地還元利回り、償却前建物還元利回り
 土地価格、建物価格は前記で求められている。

 土地価格 28,185,800,000円、建物価格1,990,000,000円である。

 総合還元利回り(償却前)は2.71%と求められている。

 総合還元利回り、土地還元利回り、建物還元利回りの3つの還元利回りは、下記の算式の関係にあると前述した。

          土地価格×土地還元利回り+建物価格×建物還元利回り
       ───────────────────────────       
                      土地価格+建物価格

=総合還元利回り

 上記算式に求められている価格等を代入すれば、下記の算式となる。

      28,185,800,000円×X+ 1,990,000,000円×(X+0.012)
    ──────────────────────────── =0.0271
                28,185,800,000円+ 1,990,000,000円

 この算式を解けば、
     X=0.02625≒0.026

 土地還元利回り(償却前)は2.6%である。

 建物還元利回り(償却前)は、
              0.026+0.012=0.038
3.8%である。

 まとめると、
    償却前総合還元利回り   2.71%
    償却前土地還元利回り  2.6% 
        償却前建物還元利回り  3.8%
である。

D 償却後土地還元利回り、償却後建物還元利回り
 土地価格、建物価格は前記で求められている。

 土地価格 28,185,800,000円、建物価格1,990,000,000円である。

 総合還元利回り(償却後)は2.6%と求められている。

 総合還元利回り、土地還元利回り、建物還元利回りの3つの還元利回りは、下記の算式の関係にあると前述した。

          土地価格×土地還元利回り+建物価格×建物還元利回り
       ───────────────────────────       
                      土地価格+建物価格

=総合還元利回り

 上記算式に求められている価格等を代入すれば、下記の算式となる。

      28,185,800,000円×X+ 1,990,000,000円×(X+0.012)
    ──────────────────────────── =0.026
                28,185,800,000円+ 1,990,000,000円

 この算式を解けば、
     X=0.02515≒0.025

 土地還元利回り(償却後)は2.5%である。

 建物還元利回り(償却後)は、
              0.025+0.012=0.037
3.7%である。

 まとめると、
    償却後総合還元利回り   2.6%
    償却後土地還元利回り  2.5% 
        償却前建物還元利回り  3.7%
である。

 0.1%の違いなど大したこと無いと思っていると、その差は金額にすると本件の場合、年間減価償却費39,800,000円に相当することになる。これを知れば、0.1%の違いだからと云って疎かに、侮ることは出来ないであろう。

 地価公示東京中央5-22の地価公示鑑定書の記載データを使用した分析から、銀座4丁目の日本で一番高い土地の還元利回り(償却後)は2.5%と分かった。

9.階層別効用比
 
 上記で、日本の一等地の最高土地価格の還元利回り(償却後)は2.5%と分かったが、同じ公示鑑定書に収益価格を求めるため、想定建物の各階の支払い賃料が記されている。これから銀座の中央通りの階層別効用比が求められるのではないかと思い分析した。下記である。1階の効用を100とする。


                      支払賃料円/u            効用比

     12階     11,500円 14.4      11階     11,500円 14.4      10階     11,500円 14.4       9階     11,500円 14.4       8階     11,500円 14.4       7階     11,500円 14.4       6階     11,500円 14.4       5階     11,500円 14.4       4階     11,500円 14.4       3階     11,500円 14.4       2階     45,000円 56.3       1階     80,000円 100.0     地下1階     25,000円 31.3     地下2階     25,000円 31.3

10.その他

 上記分析の他、同公示鑑定書より示唆するデータが得られる。2、3記す。

@ u当り賃料
 月額支払賃料は77,980,700円である。賃貸面積は4,241.79uである。

                      77,980,700円
                   ────────= 18,242円                      
                        4241.79u
 u当り平均賃料は、u当り18,000円である。

A 3階支払賃料に対する1階支払賃料の倍率
 3階支払賃料は、u当り11,500円である。
 1階支払賃料は、u当り80,000円である。

 1階支払賃料の3階支払賃料の倍率は、

          1階支払賃料      80,000円
       ───────────────= 6.96倍≒7.0倍               
          3階支払賃料     11,500円
7.0倍である。

B レンタブル比
 レンタブル比は、下記の算式で求める。

                 賃貸面積
              ────── = レンタブル比                         
                 延床面積

 賃貸面積は4,241.79uである。延床面積は5,321uである。

 レンタブル比は、

                       4,241.79u
                ───────── = 0.797                         
                        5,321u

79.7%である。

C 必要諸経費率
 必要諸経費率を求める算式は、下記である。

     必要諸経費
        ───────  = 必要諸経費率                             
          総収入

イ、減価償却費を含まない必要諸経費率
 総収入は1,045,740,587円である。総支出である必要諸経費(減価償却費を含まない)は246,487,349円である。
 下記の算式で求める。

        246,487,349円
       ───────   = 0.2357≒0.236                           
      1,045,740,587円

 この割合は、必要諸経費に減価償却費が含まれない場合の必要諸経費率である。

ロ、減価償却費込みの必要諸経費率
 減価償却費は
               1,990,000,000円÷50年= 39,800,000円
である。

 減価償却費込みの必要諸経費は、
                246,487,349円+39,800,000円=286,287,349円
である。

 減価償却費込みの必要諸経費率は、

        286,287,349円
       ───────   = 0.2737≒0.274                           
      1,045,740,587円

27.4%である。

ハ、まとめ
 上記をまとめる。

   減価償却費を含まない必要諸経費率     0.236
      減価償却費込みの必要諸経費率         0.274

 私の分析では、平成27年3月期の三菱地所の有価証券報告書から三菱地所が所有する賃貸ビルの減価償却費を含む必要諸経費率は37.1%(『改訂増補 賃料<地代・家賃>評価の実際』P74 プログレス)であり、一般的には37%程度であるから、10ポイント程度経費率が低いようである。

 2020年地価公示東京中央5-22を鑑定評価された不動産鑑定士は著名な不動産鑑定士の方である。

 日本最高土地価格の土地を鑑定評価し、その鑑定書が公開されると云うことから、担当した不動産鑑定士の方は、著名な方であるとは云え相当のプレッシャーを感じられたのではなかろうか。ご苦労様と敬意を表したい。


  鑑定コラム2061)
「ある大学の不動産鑑定の還元利回りのレポート課題」

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  鑑定コラム2096)「東京中央区の公示商業地地価と1階賃料(2020年1月)」
  

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