2012年12月の初旬、北海道の札幌に行って来た。
京都の仕事も未だ残っている状態で、北の札幌に行って来た。
札幌は小雪が舞っていた。
気温は零下1度であった。
千歳空港からJRの空港快速に乗って、札幌駅に降りると、駅西コンコースで一つの彫刻が出迎えてくれた。
真白い大理石の妙な形をした彫刻である。
中がくりぬかれた、大きなあたかも白いドーナツのごとくの彫刻である。
藤子・F・不二雄のドラえもんが、「こんにちは!」と云って、穴の向うから飛び出てくるのではないかと思ってしまう。
目尻の下がった目のごとくにも見えるし、或いは二人の人が手を取り合って体を横に曲げて大きな輪を作って踊っているごとくにも見える。
安田侃(かん)氏の「妙夢」と呼ばれる彫刻である。
眺めていると、何故か心が安らいでくる。
下の写真がその彫刻である。
資料閲覧に、札幌にある北海道不動産鑑定士協会を訪れたが、場所が前に訪れた処と異なっていた。
以前は南1条西5丁目の市電通りに面するビルの3階にあった。
そこを移転したという。
新しい協会事務所は、札幌の観光のシンボルである「時計台」のすぐ近くに引っ越していた。
通りを同じくして、時計台の斜め前のビルの1階である。
時計台には徒歩約30秒、札幌市役所には徒歩約1分という距離である。
「場所が良すぎるのではありませんか。」
と冗談に協会の職員に言ったところ、協会職員は苦笑いをしていた。
協会の前より時計台を見た写真が、下の写真である。方向としては、南東の方向である。
時計台の奥に見えるおよそ20階程度の高い建物は、札幌市庁舎である。
不動産鑑定評価に関する土地取引事例を探しながら、札幌市内を彷徨する。
雪に足を取られないように用心して、大通公園沿を歩いていると、白い雪の中に黒い滑り台が見えてきた。
写真で見覚えのある彫刻である。
「イサムノグチの黒い滑り台だ。」
と心の中で叫び、彫刻に近づいた。
雪のため彫刻に近づくことは出来ず、触ることも出来なかった。
「これが著名な彫刻家イサムノグチのブラック・スライド・マントラか。」
としばし時間を忘れて見とれていた。
雪のある冬季は立入禁止になっているが、雪の無い季節には、子供達が滑り台に登り遊んでいるのであろう。
世界的な彫刻家の作った滑り台で遊べるなんて、何と幸せなことであろうかと札幌の子供達をうらやましく思う。
イサムノグチ氏は、岐阜県とも関わりがある。
岐阜の工芸品として「岐阜提灯」がある。
イサムノグチ氏は、岐阜提灯に新しいデザインを創造した。
「あかり」という岐阜提灯の作品を世界に発表した。
このイサムノグチの「あかり」は、世界の人々を驚かせた。
これによって岐阜提灯は、世界的な工芸品の地位を得た。
岐阜提灯の業界にとっては、大変恩義のある彫刻家である。
下の写真が、大通公園にあるイサムノグチ氏の黒い滑り台の彫刻である。
投宿した札幌のホテルの窓からは、20階を越えると思われるマンションらしきものが見えたが、夜と云うのに明かりがついている窓があまり多く無い。
夜に明かりがつかないマンションの部屋と云うのは、どういうことであろうか。
明かりはカーテンで遮断されているのであろうか。
どうも私には分からない。
翌朝、夜見えたマンションらしき建物の写真を、ホテルの部屋から撮った。
下の写真が、それである。
仕事を終え、東京に帰るために千歳空港に向かう。
千歳空港ビルの窓際のカウンターに座り、生ビールを飲みながら、夜の闇に浮かぶ飛行場の青い誘導灯の光をボンヤリ見て、飛行機の出発を待つ時間こそ、私にとって旅の疲れを癒してくれる何よりのものである。
その癒しを求めて千歳空港ビルに入ったが、窓際のカウンターで生ビールを飲める店舗は無くなっていた。
千歳空港ビルは改装され、店舗配置がすっかり変わってしまっていた。
新しく温浴施設やシネマコンプレックス、ブランド店等が作られていた。
土産物店もこ綺麗になっていた。
ゴチャゴチャして雑然としていた土産物店や窓際のカウンターで生ビールが飲める店舗など、以前の千歳空港の店舗配置の方が、私には親しみがあり、良かった。
新しい千歳空港ビルは何故か落ち着かない感じがする。
飲み食いをせず、土産物も買わず、早々に東京に帰れと云われているようだ。
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