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2777) まだ増え続ける不動産業貸出額 過去最高更新14.69兆円 2024年6月末直前1年間


 2024年8月8日、日本銀行は、2024年第2四半期(2024年4月〜6月)の銀行の貸出先別貸出額を発表した。

 それによると2024年4月〜6月の国内銀行の不動産業への新規貸出額は、3兆1236億円である。

 前年同期は、3兆0272億円(発表時の金額、以下同じ。発表後に金額が変更されている場合が多々あるため)であったから、前年同期比では

                     3兆1236億円
                  ────────  ≒ 1.032                        
                     3兆0272億円
3.2%アップである。

 四半期の対前年同期比の増加率は、下記である。
        2021年7月〜9月   前年同期比  + 4.3%
    2021年10月〜12月  前年同期比  +26.3%
    2022年1月〜3月   前年同期比  + 9.6%
    2022年4月〜6月   前年同期比  +10.4%
    2022年7月〜9月   前年同期比  +17.7%
        2022年10月〜12月  前年同期比  + 2.2%
        2023年1月〜3月      前年同期比    +23.1%
    2023年4月〜6月   前年同期比  +26.6%
    2023年7月〜9月   前年同期比  +17.1%
    2023年10月〜12月  前年同期比  +5.2%
        2024年01月〜03月  前年同期比  +5.4%
        2024年04月〜06月  前年同期比  +3.2%
である。

 貸出額は前年同期比はずっと+である。つまり貸出額は留まることなく増え続けていると云うことである。

 2024年第2四半期末直前1年間の貸出額を記すと、下記である。金額は発表時の金額である。

            2023年第3四半期   3兆5763億円
            2023年第4四半期   3兆3070億円
            2024年第1四半期   4兆6869億円
            2024年第2四半期   3兆1236億円
                計              14兆6938億円

 各四半期末直前1年間不動産業貸出額は、下記である。
            2016年12月           12兆3388億円
            2017年3月            12兆3580億円
            2017年6月            12兆1569億円
            2017年9月            11兆7927億円
            2017年12月           11兆7070億円
            2018年3月            11兆3894億円
            2018年6月            11兆3064億円
            2018年9月            11兆2219億円
            2018年12月           11兆0434億円
            2019年3月            10兆9189億円
            2019年6月            10兆7439億円
            2018年9月            10兆8577億円
            2019年12月           11兆0715億円
            2020年3月            11兆2599億円
            2020年6月            11兆3390億円
            2020年9月            10兆8391億円
            2020年12月           10兆6697億円
            2021年3月            10兆4344億円
            2021年6月            10兆3828億円
            2021年9月            10兆4889億円
            2021年12月           11兆1311億円
            2022年3月            11兆4459億円
            2022年6月            11兆6710億円
            2022年9月            12兆1305億円
      2022年12月      12兆1979億円
      2023年3月       13兆0330億円
      2023年6月       13兆6695億円
      2023年9月       14兆1905億円
      2023年12月       14兆3545億円
      2024年03月       14兆5974億円
      2024年06月       14兆6938億円

 2024年6月期直前1年間の国内銀行の不動産業への新規貸出額は、14兆6938億円である。この金額は、過去最高年間貸出額である。

 前期2024年3月も14兆5974億円で過去最高の貸出額であった。今期は964億円増と僅かな増加であるが、過去最高額となった。  1年前の2023年6月期直前1年間の新規貸出額は、上記一覧表の2023年6月の13兆6695億円億円である。

 1年間の貸出増額率は、
                      14兆6938億円
                   ────────  ≒ 1.075                       
                      13兆6695億円
である。

 1年間で1.02兆円余の貸出額増加である。率にすると7.5%アップである。相変わらず大巾な増加率である。

 日銀総裁もやっと変わり、金融政策が変わるのかと思ったら、不動産業貸出額はなお増額となっている。

 年間上昇率7.5%が国内総生産の増加率であれば、大いに結構であるが、国内総生産の占める割合が4.2%の不動産業の不動産貸出額の増加割合と聞けば、日本銀行は何を考えて、不動産業への貸付を増額し続けるのかと云いたくなろう。

 「日本銀行何を考えている」という言葉を何回書き続けてきたことか。

 消費者物価の2%アップを目的とした超超金融緩和は完全に失敗であり、余った円が日本国内だけに留まらず、海外にも行き渡り、為替変動を引きおこし日本円が大暴落してしまった。

 その結果、輸入品の価格アップを引きおこし、日常生活必需品の価格アップとなり、国民生活に悪影響が大きく出始めることになった。

 経済学者は、一体何をしていたのか。政府の審議委員の肩書きが欲しい学者ばかりがのさばっていることによる結果が、日本経済のこの結果か。

 上記四半期末直前1年間の貸出額をグラフにしたのが、下図である。




国内銀行不動産業貸出額 2024年6月末




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