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2146)固定資産税を自分で決めていて、その固定資産税が支払えない土地鑑定価格

 東京のど真ん中区にあって、土地面積約2万6,000u、延べ床面積約11.6万uで15階〜17階の建物4棟が建つ土地価格の鑑定評価格の話である。

 4棟の建物の建つ土地価格が求められていた。

 収益還元法が行われ、その経費の中で、土地の公租公課は年間36,600,000円であると記述されていた。

 公課証明が添付されていないことから、土地の課税標準価格がいかほどか分からない。

 仕方がないから、それを知るために課税標準価格をXとして求める事にした。

 固定資産税率は0.014である。都市計画税率は0.003である。次の算式が成立する。但し課税減額修正要因は無いものとする。


    X*0.017=36,600,000円

        (*)は掛けるの表示。

 求められたXの価格を土地面積で除すと、課税標準価格はu当り81,860円と求められる。簡略して82,000円とする。

 土地価格は少なくともu当り82,000円の価格はすると判断できる。

 一方、延べ床面積11.6万uの建物の建つ土地の鑑定評価額は、u当り27,000円と求められていた。

 ちょっと考えて欲しい。

 当該土地は36,600,000円の公租公課を支払えると云うことを不動産鑑定士自身が判断して収益還元法を行っているのである。その場合の土地価格はu当り82,000円である。

 鑑定額u当り27,000円では、公租公課3660万円が支払えないことになる。

 一方で支払うことが出来るといって計算し、結果ではとても支払うことが出来ない土地価格が求められるという論理の矛盾が生じる。

 本来はこの様な論理の矛盾など生じ無いし、生じるハズが無い。

 おかしな論理の矛盾が生じることは、論理の矛盾を生じさせる作為的な土地価格を著しく低額にする操作がなされていると云うことになる。

 u当り27,000円で、3660万円の公租公課を支払うと云うことになると、税率は5.15%と云うことになる。1.7%と決められた税率以上に支払うことは出来ないことから、u当り27,000円の鑑定評価額は間違いと云うことになる。価格の信頼性など発生の余地はない。

 u当り27,000円が適正であると云うのをあくまで主張するのであれば、u当り82,000円の土地価格の3660万円の課税は不当に高い固定資産税であるから、固定資産税減額請求訴訟となるが、それを行う自信がありますか。

 東京都心のど真ん中区で15〜17階の建物の建つ土地がu当り27,000円で存在するハズが無い。それが存在すると不動産鑑定する方がどうかしている。

 自分で公租公課3660万円支払えると設定しておいて、結果として3660万円の公租公課を支払えない土地価格を鑑定評価で求めている。これをおかしいと思わないか。

 不動産鑑定士の団体である公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会は、そうした不動産鑑定書が横行することを許すのか。

 不動産鑑定評価の監督官庁の国土交通省は、固定資産税を自分で決めていて、その固定資産税が支払えない土地鑑定価格を適正と主張する鑑定評価の行為とその不動産鑑定書を許すのであろうか。


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