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2148)土地価格総額と土地公租公課総額との相関関係は大変高い

 土地価格総額と土地公租公課総額の相関関係は高い。

 相関関係が高いと云うことは、その関係が強いということである。それは相関係数の割合で証明され、相関係数0.9以上は極めて関係が深い事を示す。

 東京中央区の地価公示価格の土地公租公課総額が分かった。地価公示価格も分かっており、地価公示価格に当該地の面積を乗ずれば、地価公示地の土地価格総額が求められる。

 例えば、東京中央5-1(中央区銀座2-16-12)の公示価格はu当り3,270千円である。この土地面積は340uである。

 土地価格総額は、

      3,270千円×340u=1,111,800千円
である。

 土地公租公課総額は、鑑定コラム2147)で求められている。5,789千円である。

 東京中央区の地価公示価格で収益還元法が求められている商業地、住宅地の全ての地価公示地の土地価格総額を上記のごとく求め、鑑定コラム2147)で求められている土地公租公課総額の一覧を記すと下記である。
 

東京都中央区          
公示番号 所在 公示価格千円/u 土地面積^u 土地総額 千円 土地公租公課 千円
           
中央5-1 銀座2-16-12 3270 340 1111800 5789
中央5-2 銀座6-8-3 32200 360 11592000 32705
中央5-3 京橋1-15-1 7740 1375 10642500 62102
中央5-4 銀座3-7-1 17600 290 5104000 22962
中央5-5 京橋1-1-1 22900 1948 44609200 285406
中央5-6 日本橋久松町12−8 2080 379 788320 4175
中央5-7 八重洲1-5-9 8810 316 2783960 15287
中央5-8 日本橋3-11-1 8170 1376 11241920 67201
中央5-9 日本橋人形町1-19-8 3180 121 384780 2048
中央5-10 築地5-3-3 2700 2543 6866100 33336
中央5-11 日本橋兜町13-1 5660 1105 6254300 36698
中央5-12 日本橋小伝馬町12-2 3080 149 458920 2522
中央5-13 勝どき4-2-14 2070 471 974970 1402
中央5-14 新富1-9-1 2300 207 476100 2483
中央5-15 日本橋蛎殻町1-16-11 2450 275 673750 3478
中央5-16 日本橋本町4-1-11 5900 330 1947000 11545
中央5-17 新川1-17-27 2460 195 479700 2526
中央5-18 銀座4-2-15 31000 829 25699000 116111
中央5-19 築地2-12-11 2280 340 775200 4072
中央5-20 日本橋人形町2-21-10 1890 147 277830 1416
中央5-21 新川2-12-15 2320 458 1062560 5677
中央5-22 銀座4-5-6 57700 454 26195800 115941
中央5-23 銀座7-9-19 42700 426 18190200 78614
中央5-24 日本橋茅場町2-4-6 2310 148 341880 1826
中央5-25 日本橋富沢町7-15 1600 111 177600 935
中央5-26 八丁堀1-9-7 4680 296 1385280 8191
中央5-27 銀座2-3-18 6080 105 638400 2934
中央5-28 八重洲2-10-17 13400 1724 23101600 133027
中央5-29 銀座2-6-7 43300 353 15284900 60558
中央5-30 新川1-11-5 1140 138 157320 826
中央5-31 月島3-9-10 1520 74 112480 162
中央5-32 入船3-1-13 2480 478 1185440 6086
中央5-33 京橋1-6-1 17500 2237 39147500 246428
中央5-34 日本橋人形町1-5-15 1290 107 138030 730
中央5-35 日本橋2-1-10 21500 2222 47773000 271610
中央5-36 日本橋馬喰町2-6-11 1270 128 162560 843
中央5-37 日本橋蛎殻町2-13-9 1120 140 156800 497
中央5-38 八丁堀4-8-1 3140 172 540080 2873
中央5-39 日本橋室町1-11-8 3090 297 917730 4803
中央5-40 日本橋箱崎町20-1 1280 226 289280 377
中央5-41 銀座5-4-3 49700 435 21619500 98328
中央5-42 築地4-7-5 4040 1461 5902440 30456
中央5-43 八重洲1-5-20 23400 623 14578200 88392
中央5-44 銀座5-13-16 9570 660 6316200 37240
中央5-45 日本橋室町4-2-14 2340 123 287820 1505
中央5-46 日本橋茅場町3-2-12 2870 336 964320 5168
中央5-47 築地3-12-5 1340 225 301500 410
中央5-48 入船3-8-9 1470 162 238140 305
中央5-49 日本橋本町3-2-13 3000 575 1725000 9129
中央5-50 日本橋3-2-14 6110 220 1344200 7472
中央5-51 日本橋本町4-4-2 7510 1131 8493810 50417
中央5-52 晴海2-1-40 2000 7250 14500000 77939
中央5-53 銀座8-6-20 16400 181 2968400 14350
中央 1 月島2−16−9 975 82 79950 134
中央 2 明石町5−19 1690 435 735150 1078
中央 3 勝ちどき3−4−18 1320 799 1054680 1621
中央 4 月島3−25−3 1300 558 725400 1296
中央 5 佃3−11−13 870 59 51330 83
中央 7 佃2−12−12 1280 742 949760 1464


 上記データを縦軸に土地価格総額(千円)、横軸に土地公租公課総額(千円)を取って、グラフにプロットしたのが、下記のグラフである。


晴海1


 グラフより見れば、土地公租公課総額と土地総額との間には右肩上がりの相関関係が認められる。

 土地総額をY千円、土地公租公課総額をX千円として、両者の関係式を求めると下記である。
 
              Y=613720.75+171.25X ・・・・@式
                    r=0.986
 相関係数は0.986である。

 標準偏差は、1844589.56である。 18億4458万(円)である。

 グラフに上記で求められた回帰式を書き入れれば、下記のグラフである。


晴海2


 鑑定コラム2147)で、東京のど真ん中区で土地面積約2万6,000u、延べ床面積約11.6万uで15階〜17階の建物4棟が建つ土地の公租公課総額が3660万円であると云う。

 上記@式のXに、36,600千円を代入すると、その土地価格総額が求められる。

         Y=613720.75+171.25×36,600   
           =6,881,471.75
           =68億8147万円

 土地の価格は68億8147万円と求められる。

 出現確率68.26%で出現する価格は、標準偏差の1倍の範囲である。標準偏差は18億4458万(円)であるから、
              68億8147万円+ 18億4458万(円)=87億2605万円或いは
              68億8147万円− 18億4458万(円)=50億3689万円
である。

 一般的においては、ほぼ7割が上記の50億円〜87億円の間の金額の範囲内で出現すると予測される。

 統計学上許される信頼出来る価格は、確率5%までの価格である。

 確率5%の金額は標準偏差の1.96倍である。
             18億4458万(円)×1.96=36億1537万円
である。

 下限値では、
             68億8147万円−36億1537万円=32億6610万円

信頼確率5%の価格は、32億6610万円である。

 この価格以下の金額は、統計学から考えて検討に値しない信頼出来ない価格と云うことになる。

 どれ程適正だ、適正だと主張し、わめいても信頼性無しという金額である。
 新聞の世論調査とか、内閣支持率の調査で行われているのが、この5%を切らないと云う条件で調査されているのである。それ故に発表されている数値が信頼されているのである。

 東京のど真ん中区で土地面積約2万6,000u、延べ床面積約11.6万uで15階〜17階の建物4棟が建つ土地価格が、7億1000万円と不動産鑑定されている。

 信頼度5%の価格が32億円余である。その価格より大幅に安い7億円余の金額は、統計学的には完全否定されるもので、信頼性は全く無い金額となる。そうした金額が求められること自体が有り得無いものである。

 統計学者、数学者から笑いものにされない様な不動産鑑定評価をすることを願う。


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