2161)従前評価は幾らなの? 8年後支払の金額に複利はつかないの?
東京のど真ん中区で13.4万uの都有地売却について、複雑な巧妙な手法を誰が考えたのか知らないが、都議会の承認を回避し、公有地は適正価格で売却しなければならない地方自治法237条2項があるにもかかわらず、その法令の違反も甚だしい超々低額価格で自分達の都合の良い価格で売却するという事を行っている。
審議委員会を通していると云うけれども、その審議委員会では適正な価格の審議検討はなされていないではなかろうか。もし審議委員会で価格検討したというのであれば、その審議委員も同じ穴の狢(むじな)と云うことになろう。
北西側至近にある東京都基準地の中央3の価格(u当り895,000円 平成27年7月1日現在)から、どの様にしてu当り27,000円の価格が適正な都有地売り払い価格になるのか、その価格審議の論理過程を聞かしてもらいたい。裁判所の証人台で。
公有地売却価格は適正な価格でなければならないと云う原則は守らなければならないであろう。
そうで無ければ地方自治法237条2項の存在意義が無くなる。地方自治体は自分の都合の良い値段で財産を自由に処分する事が出来てしまう。
都議会議員は何をしているのかと思いたくなるが、私が口を出すべきものでないから、その事は都議会議員に任す。
噂で聞けば、当該地は都市再開発法によるものと聞く。
とすれば従前価格評価が必要であるが、その価格がどれ程であるのか伝わってこない。従前価格評価をまともに行っていないのでは無かろうかという疑問が湧く。
利率6.5〜10%で55ヶ月〜80ヶ月の割り戻した価格を売買価格とし、その金額の授受は8年後としているようであるが、その8年間に複利はつかないようである。
買うときの金額は低く査定した収益価格からさらに利率6.5〜7.2%で72〜80ヶ月割り引いた金額で、8年後に支払う金額は無利子でその金額という。随分と虫の良い契約のようである。
都市再開発法とか、8年後無利子支払の事については、それぞれの専門家がいる事から、その人々に任す。
ひとまずここで、東京のど真ん中区の13.4万uの都有地売却に伴う都有地鑑定評価についての分析考察は終わることにする。
裁判の過程で、相手側不動産鑑定士及び不動産鑑定業者そして東京都側代理人弁護士から、田原不動産鑑定士の考えは間違っており、自分達の鑑定のu当り27,000円が適正であるという正当性を主張する反論が出て来た場合は、それに対して反論はするつもりであるが。
本件のごとくのアンフエアな行為が商行為として罷り通っている事から、開発業者側には土地の低額譲渡取得としての利益が発生している事から、国税庁の査察が入るべきであろうし、東京都には不適切な税金の使い方として会計検査院の査察が入るべきものであろう。会計検査院の中には不動産鑑定士がいる。法の上の平等という原則は貫かれなければならないものではなかろうか。
なお、地方自治法の「適正な対価」については、鑑定コラム1879)「地方自治法の「適正な対価」とは」で述べていることから、そちらを読んで欲しい。特に不動産鑑定士の方は必読で、内容を頭の中に叩き込んで欲しい。
鑑定コラム2144)「仰天 土地取引事例ゼロの更地の評価書」
鑑定コラム2145)「収益還元法価格は開発法のベース価格にはならない」
鑑定コラム2146)「固定資産税を自分で決めていて、その固定資産税が支払えない土地鑑定価格」
鑑定コラム2147)「土地鑑定単価は土地課税単価より高い」の立証」
鑑定コラム2148)「土地価格総額と土地公租公課総額との相関関係は大変高い」
鑑定コラム2149)「おかしな開発法のベースとなった収益価格」
鑑定コラム2150)「出現確率百万分の2.6の収益還元法」
鑑定コラム2152)「東京中央区の15階建の土地価格は介在畑の課税価格よりも安い」
鑑定コラム2153)「東京都敗訴の固定資産税の最高裁判決」
鑑定コラム2154)「まやかしの建築工事費」
鑑定コラム2155)「中央区晴海 平成28年1月〜6月新築マンション取引平均価格114.59万円/u」
鑑定コラム2156)「都心3区の地価公示価格の開発法」
鑑定コラム2158)「店舗賃料の25%が公租公課という鑑定書 東京のど真ん中区のある街区の話」
鑑定コラム2159)「出現率10万分の6の開発法の鑑定価格 」
鑑定コラム2160)「こりゃダメだ 池沼の課税価格より安い17階建て共同住宅の都有地鑑定価格 」
鑑定コラム1879)「地方自治法の「適正な対価」とは」
鑑定コラム2164)「不動産鑑定界の歴史に残る汚点の開発法 平澤氏メルマガ」
鑑定コラム2173)「晴海オリンピック選手村土地価格は特定価格にはならない 」
鑑定コラム2174)「土地価格の鑑定評価手法には原価法という手法もある 」
鑑定コラム2175)「個人施行者の再開発事業には都市再開発法108条2項の適用はない 」
鑑定コラム2176)「「晴海選手村土地の売却顛末」 西田紘一氏寄稿 」
鑑定コラム2179)「権利変換を希望しない申出は財産の処分行為をすると云うことである 」
鑑定コラム2180)「全員同意型再開発の同意は財産処分の行為である 」
鑑定コラム2181)「「「HARUMI FLAG」住民訴訟に新たな動き 不動産鑑定士たちが指摘する激安価格のカラクリと問題点」という経済アナリストの記事」
▲