○鑑定コラム


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2158)店舗賃料の25%が公租公課という鑑定書 東京のど真ん中区のある街区の話

1.はじめに

 東京のど真ん中区の13.4万uの土地をA・B・C・D・Eの5街区に分割して土地価格を求めた鑑定書がある。

 A〜Dまでの4街区の鑑定については、鑑定コラム2144)から2156)(但し2051は除く)で既に述べた。

 今回は最後の街区(E街区、土地面積約11,000u)の鑑定について述べる。

 E街区の土地鑑定評価額はu当り83,700円である。この土地価格の妥当性について検討する。


2.土地取引事例比較法を行っていない

 土地の更地価格を求めるのであるから、土地取引事例比較法を行うのが鑑定評価の基本であるが、土地取引事例比較法による手法を行っていない。

 洩れ伝えられる話によれば、E街区も含めた全体の土地面積が13.4万uの土地であり、その様な広大な土地の取引事例は無いという理由によって、土地取引事例比較法は行わないという。

 だがその言い訳は通らない。平成15、6年頃であったか。国立大学が独立法人化する事になり、日本全国の国立大学の土地建物の時価評価を全国の不動産鑑定士が行った。

 国立大学は広大な敷地を持つ。

 東京にある東京大学、東京工業大学の敷地の土地価格の時価評価が行われた。

 東京大学の本郷キャンパスは402,000u、駒場キャンパスは254,000u、柏キャンパスは237,000uである。

 東京工業大学の大岡山キャンパスは244,000u、すずかけ台キャンパスは225,000uである。

 金沢大学の角間キャンパスに至っては、2,660,000uの敷地面積である。

 それ等の土地を一画地として、時価評価を不動産鑑定士は行っている。

 その土地評価手法は、取引事例比較法と収益還元法である。

 13.4万uが広すぎるから取引事例比較法を行うことが出来ないということなど、嘘っぱちである。

 E街区の土地面積は約11,000uである。土地取引事例比較法は充分行う事が出来るし、行わなければならない。

 行わないことは、鑑定基準違反である。


3.道反対側の至近にある基準地価格89.5万円/uを無視している

 E街区の北西側の道路挟んで反対側に東京都が設定している東京都基準地価格がある。基準地番号中央3(東京都中央区晴海五丁目1番4 住居表示晴海5-1-9)である。平成27年7月時点の価格は、u当り895,000円 面積4,158u である。

 北西側至近に基準地があるのに、基準地価格との比較検討を全く行っていない。そして求められている土地価格は、u当り83,700円である。

 至近基準地価格に対して、

             83,700円÷895,000円=0.094
9.4%の価格である。▲90.6%の減額である。無茶苦茶な鑑定である。

 至近距離の基準地価格を完全無視する行為は許されなく、かつその価格から▲90.6%減額した価格が適正価格であると主張することが全く分からない。

 ▲90.6%減額することが許されると、鑑定した不動産鑑定士及び不動産鑑定業者は思っているかのようであるが、それは許されるべきものでは無い。

 不動産鑑定士は土地評価をする場合、周辺地域に地価公示価格等がある場合には、その価格と規準して土地価格を求めなければならない。本件土地評価した不動産鑑定士は、基準地価格と規準する事を怠っている。

 基準地は地価公示価格と同等に考えられていることから、地価公示法8条が類推適用され、地価公示法違反を問われる不動産鑑定評価である。

 地価公示法8条とはどういう内容であるかについては、鑑定コラム2144)に記してある。


4.鑑定基準違反の開発法を行っている

 E街区の土地評価手法は、取引事例比較法を行わず、妙な鑑定手法によって土地価格を求めている。

 妙な鑑定手法とはどういう手法かと云うと、E街区の土地上にS造4階建(地下1階付)延床面積29,500uの賃貸店舗を想定し、収益還元法の価格を求め、その収益還元法の価格をベースにして開発法を行って土地価格を求めている。

 開発法は分譲マンションを想定し、その分譲価格をベースにして土地価格を求める手法である。

 鑑定基準は、開発法のベースとする価格は「販売総額」と云っており、収益価格をベースにして開発法を行えとは規定していない。

 それ故、E街路の土地鑑定(以下「E鑑定」と呼ぶ。)は、明白な鑑定基準違反であり、失当も甚だしく使えない価格である。

 この様な求め方をする不動産鑑定士はまともな不動産鑑定士なのか。失当も甚だしく使えない価格の不動産鑑定書を発行する不動産鑑定業者はまともな不動産鑑定業者なのか。


5.収益還元法の価格を利率7.2%で72ヶ月(6年)分割り引いている

 収益還元法の価格を開発法ベースにして開発法を行うなどの手法は鑑定基準は許していなく、この求め方をした時点でE鑑定は失格である。

 ではその収益還元法の収益価格はどの様にして求められているかと検討すると、次の様に求められている。

 敷金運用益を除く運営収益を424,800,000円(年額 以下同じ)と求める。

 運営費用は、減価償却費を考えずに112,634,000円とする。経費率は26.5%であるという。

 この経費率26.5%はまやかしの率で、建物価格(新築であるから建物工事費相当となる。)の減価償却費を考えれば、S造の建物建築費を4,012,000,000円とし、S造であるから経済的耐用年数を35年とすれば、減価償却費は、
          4,012,000,000円÷35年=114,628,571円
である。

 運営費用は、
     112,634,000円+114,628,571円=227,262,571円
となる。

 経費率は、
          227,262,571円÷424,800,000円=0.535
53.5%になり、賃貸不動産としては健全経営不可能のものとなる。

 減価償却費を経費項目から外すと、こうした事態を見逃してしまうことになる。賃料が安いのか、経費が高すぎるのかの要因が浮かんで来る。

 運営純収益は、
          運営収益−運営費用=312,166,000円
と求めている。

 この運営純収益に敷金運用益を加え、資本的支出を差し引いて、純収益を304.601,000円とする。

 還元利回りを5.2%として、収益価格を
               304.601,000円÷0.052≒5,860,000,000円
と求める。

 この58億6000万円は土地建物が複合して得られる収益価格である。

 この価格より建物の配分価格を控除すれば良い。建物配分価格は建物建築工事費である。

 建物建築工事費は、鑑定書後記で40億1200万円と記されている。

 土地価格は、
       58億6000万円−40億1200万円=18億4800万円
となる。

 これが土地残余法と呼ばれる収益価格である。

 ここで当該地の土地価格は18億4800万円と求められる。これで終わりである。

 ここから開発法など行う必要性は無い。

 E鑑定は収益価格をベースにして開発法を行い、収益価格を7.2%の利率で72ヶ月(6年)分を割り引いて求めている。

 何をやっているのかといいたい。

 収益価格は価格時点で瞬時に建物が建てられ、その時点の賃料で計算される価格であり、期間の割引率など関係しない。

 上記で求められた土地残余法の収益価格は、賃料が安く、かつ経費が高くかさ上げされている事から信頼性は無い。

 求められている収益価格には信頼性は無いが、土地残余法で収益価格が求められていることから、これからさらに開発法を行う事など必要は無い。

 E鑑定は何を考えているのか、私にはさっぱり分からない。


6.課税評価標準価格の24%の土地価格である

 E鑑定は、E街区の土地の固定資産税・都市計画税の公租公課を67,830,000円とする。

 この税額の課税標準価格は分からないため、次のごとく推定する。

 固定資産税・都市計画税の利率は1.7%である。課税減額修正要因は無いものとする。

 課税標準価格をXとする。
    X*0.017=67,830,000円
        (*)は掛けるの表示。
 求められたXの価格を土地面積で除すと、課税標準価格はu当り351,000円と求められる。

 一方、延床面積29,500uの賃貸店舗の建つ土地の鑑定評価額は、u当り83,700円と求められている。

 当該土地は67,830,000円の公租公課を支払えると云うことを不動産鑑定士自身が判断して収益還元法を行っているのである。その場合の課税標準価格の土地価格はu当り351,000円である。

 鑑定額u当り83,700円では、公租公課6783万円が支払えないことになる。

 求められている価格は、自らが決めた課税標準価格に対して、
        83,700円÷351,000円≒0.24
0.24である。課税標準価格の24%が適正価格であると主張する。

 このE鑑定は、一体何を考えてE街区の土地価格をu当り83,700円と決定したのか、私には再び分からない。
 

7.東京都が最高裁で敗訴した固定資産税の判決違反の価格である

 東京都が最高裁で敗訴した固定資産税の判決がある。この事については鑑定コラム2153)で記した。

 この最高裁判決は課税標準価格が適正時価を上回ったらそれは違法と云っているのである。その事から適正時価(鑑定評価によって求められる価格)は、課税標準価格よりも高い価格にあることを判示している。

 つまり E街区の適正時価は固定資産税課税標準価格よりも高い価格で無ければならない事になる。

 E街区は自分で土地固定資産税を6783万円と記述しており、その金額から推定される課税標準価格は、u当り351,000円である。

 E街区の土地の適正時価は、少なくともu当り351,000円以上でなければならないのである。

 E鑑定は、E街区の適正土地価格はu当り83,700円と主張する。自分の考え方は自己矛盾を引き起こし、最高裁判決違反の鑑定評価であることに全く気付いていない。

 東京都の主税局は、局が違うといって傍観していてよいのか。

 裁判官が「行政は悪いことをしない。行政は間違ったことをしない。」として東京都の主張が適正であると認めて、現在の訴訟が結審した場合、E街区の適正時価はu当り83,700円となる。

 課税標準価格は、u当り83,700円以下にせざるを得なくなるょ。

 道路の反対側に東京都基準地があり、平成27年7月時点の価格はu当り895,000円である。何らの個別的要因の修正が無ければ、これの7掛けの
 
             895,000円×0.7=626,500円
が、課税標準価格であるが、これがu当り83,700円以下にせざるを得なくなる。しなかったら、住民から固定資産税の訴訟が再び提訴される事になる。


8.東京都心5区公示店舗建物賃料と公租公課

 令和2年地価公示の東京都心5区の店舗建物の年間支払賃料総額と土地建物の公租公課の関係を調べて見た。

 都心5区とは、千代田、中央、港、新宿、渋谷区である。

 地価公示の商業地は収益還元法を行っているが、1階店舗で他階は事務所の類型が多く、全階店舗利用の地価公示地は、都心5区の地価公示で下記の18物件しか無かった。


    店舗賃料公租公課割合        
公示番号 公示地住所 年間支払賃料 千円 土地公租公課 千円 建物公租公課 千円 公租公課総額 千円 店舗賃料公租公課割合
    a b c d=b+c d÷a
中央5-4 銀座3-7-1 239425 22962 6962 29924 0.125
中央5-22 銀座4-5-6 935768 115941 16915 132856 0.142
中央5-23 銀座7-9-19 729836 78614 14025 92639 0.127
中央5-29 銀座2-6-7 595231 60558 11985 72543 0.122
中央5-53 銀座8-6-20 152540 14350 4241 18591 0.122
千代田5-48 有楽町1-2-9 27396 2090 1130 3220 0.118
港5-32 新橋2-8-8 63443 7497 2686 10183 0.161
新宿5-15 新宿3-5-4 886047 96504 27965 124469 0.140
新宿5-17 新宿3-28-9 280321 35722 7497 43219 0.154
新宿5-18 歌舞伎町2-21-6 20956 916 1445 2361 0.113
新宿5-24 新宿3-30-11 1086734 132651 22695 155346 0.143
新宿5-25 歌舞伎町2-10-7 87200 4071 5516 9587 0.110
新宿5-30 新宿3-6-11 25597 1658 1215 2873 0.112
渋谷5-1 道玄坂1-6-3 29825 2768 1011 3779 0.127
渋谷5-12 道玄坂2-29-19 166373 15785 4462 20247 0.122
渋谷5-14 道玄坂2-6-174 1610651 162545 44455 207000 0.129
渋谷5-22 宇田川町23-3 966810 106869 23800 130669 0.135
渋谷5-26 神宮前4-26-18 1079071 100885 14365 115250 0.107
渋谷5-33 神宮前1-13-11 143926 15546 2575 18121 0.126
平均           0.128
標準偏差           0.014


 都心5区商業地の店舗建物賃料に対する公租公課の割合の平均は、0.128で、標準偏差は0.014である。

 都心5区の店舗の支払賃料総額に対する土地建物の公租公課に占める割合は、12.8%が平均ということである。


9.東京ど真ん中区にあるE街区のE鑑定の支払賃料と公租公課

 東京ど真ん中区にあるE街区のE鑑定の年間支払賃料総額と公租公課は、下記である。
      支払賃料総額     424,800,000円
      公租公課     土地   67,830,000円
                         建物   37,512,000円
                         小計     105,342,000円
 支払賃料総額に占める公租公課の割合は、

105,342,000円 ───────── = 0.2479 ≒0.248 424,800,000円
0.248である。


10. E鑑定は百兆分の1を超える出現率

 E鑑定の土地も都心5区にある。4階建ての店舗建物である。

 E鑑定の支払賃料総額に占める土地建物公租公課の割合は0.248である。

 都心5区の地価公示の店舗建物賃料総額に占める土地建物の公租公課の割合は、0.128である。

 E鑑定の公租公課の占める割合は、都心5区の割合と比較して、随分と高い。この割合の出現の確率を求める事によって、E鑑定が信頼出来る鑑定かどうかを知ることが出来る。

 Z値を調べれば、出現する確率が分かる。Z値が1.96以下であれば、出現する確率は5%以上であるから、信頼することが出来る。

 E鑑定のZ値を調べる。

 平均は0.128である。標準偏差は0.014である。データ値は0.248である。

                      0.248−0.128
    Z値    =  ─────────                               
                        0.014

                        0.12
               =   ──────                                    
                       0.014

               = 8.5

 Z値は8.5である。 Z値7.8で正規分布表右片側確率は3.1E-15である。出現率は百兆分の6である。

 Z値8.5は、10のマイナス15乗以上である。

 エクセル計算の「NORMSDIST」のプログラムでは「0」と計算される。小数点以下のゼロの数が多すぎて、計算しても無意味ということである。(エクセルの計算限度は15桁と後で分かった。E-15とは、小数点以下15桁の意味である。0.000……と0が15続くということである。)

 出現率百兆分の1を超える内容の鑑定書の出現に私は仰天する。あまりにもひどすぎる。

 この事は、賃料が安すぎる事に原因していると判断される。

 賃料が2倍近くであれば、この様な問題は発生しない。


11.フロンティア投資法人の賃料に対する公租公課率

 イオンモール品川シーサイドショッピングセンター、三井アウトレットパーク入間、イトーヨーカド東大和店等日本中に33のショッピングセンターを持ち賃貸しているフロンティア不動産投資法人というJリートがある。

 その平成28年6月期の有価証券報告書(第24期 6ヶ月)によると、売上高、事業費用は下記である。単位千円
     売上高        10,051,530千円
          賃貸事業費用     
             外注委託費      510,199
             公租公課            1,076,725
             損害保険料       12,863  
             修繕費         150,814
             減価償却費      2,157,685
             その他賃貸事業費     243,967 
               小計       4,152,255
          賃貸事業収益      5,899,275
 不動産投資法人の売上高とは、賃貸収入である。つまり賃料である。

 ショッピングセンターの賃貸人である投資法人の売上高(賃料収入)に占める公租公課の割合は、
                  1,076,725千円
             ────────── = 0.107                          
                 10,051,530千円
10.7%である。

 E鑑定の24.8%の割合が如何に高いか分かるであろう。


12.フロンティア投資法人の賃貸ショッピングセンターの賃料

@ イオンモール品川シーサイドショッピングセンターの賃料

 フロンティア投資法人の第24期(平成28年6月期)の有価証券報告書によれば、6ヶ月間の売上高は10,051,530千円である。

 賃貸しているイオンモール品川シーサイドショッピングセンター(品川区東品川4 賃貸面積77,547.22u)の売上高に占める割合は7.4%である。

 同センターの月額賃料は、
          10,051,530千円×0.074÷6ヶ月=123,969千円
である。

 u当り賃料は、
          123,969千円÷77,547.22u≒1,600円
1,600円である。

A 三井アウトレットパーク入間の賃料

 埼玉県入間市宮寺にある三井アウトレットパーク入間(賃貸面積 98,714.90u)の賃料を求める。

 前記有価証券報告書によれば、売上高に占める割合は7.1%である。

 同店の月額賃料は、
          10,051,530千円×0.071÷6ヶ月=118,943千円
である。

 u当り賃料は、
          118,943千円÷98,714.90u≒1,200円
1,200円である。

B イトーヨーカド東大和店の賃料

 東京都東大和市桜が丘2にあるイトーヨーカド東大和店(賃貸面積 53,374.72u)の賃料を求める。

 前記有価証券報告書によれば、売上高に占める割合は3.8%である。

 同店の月額賃料は、
          10,051,530千円×0.038÷6ヶ月=63,660千円
である。

 u当り賃料は、
          63,660千円÷53,374.72u≒1,200円
1,200円である。


13.地価公示中央 5-52(晴海2-1-40)の1階の店舗賃料

 令和2年の地価公示中央 5-52(晴海2-1-40)の公開鑑定書によれば、1階の店舗賃料は、u当り6,500円(賃貸面積2,601.00u) である。


14. E街区の店舗賃料

 E街区のE鑑定の店舗賃料は、u当り1,200円である。

 晴海2丁目の地価公示地の1階店舗の賃料は、令和2年であるがu当り6,500円である。

 入間市、東大和のショッピングセンターの店舗賃料は、u当り1,200円である。

 E鑑定の店舗賃料は、入間市、東大和のショッピングセンターの店舗賃料と同じとは、随分と安い賃料では無いのか。土地価格水準を考えれば、同じと云うことはない。

 賃料を安くして、賃料と公租公課の関係から、出現確率百兆分の1を超える確率の鑑定を行っているが、その現象は設定賃料u当り1,200円を倍程度の賃料にすれば解消できる。

 つまりE鑑定の店舗賃料は安すぎるのである。

 E鑑定及びその不動産鑑定業者に賃料評価を頼んだら、とんでもない常識はずれの賃料評価及び賃料鑑定書が発行されるということになってしまう。


15.結論

 評価地の北西至近にある基準地価格u当り895,000円に対して、規準すると云う判断行為を全く行わず、▲90.6%減額のu当り83,700円が適正価格であると主張する。その根拠の理論的裏付けはゼロである。求められた評価額u当り83,700円に正当性は全く認められない。

 収益価格をベースにした開発法を行い、課税評価標準価格よりも大幅に下回る価格を適正価格と主張する。

 適正価格を超えた課税標準価格は超えた部分は違法であるという最高裁判決からすると、適正時価は課税標準価格よりも高く無ければならない事になるが、E鑑定ではそうなっていない。

 店舗賃料にあっては、公租公課は賃料の10%〜13%が、経済経験則が作りあげた割合である。E鑑定はそれを全く知らず、25%弱の割合が適正であるとして収益還元法を行っている。その割合出現は百兆分の1を超える出現率の鑑定となった。当然価格出現も百兆分の1を超える出現率となろう。

 価格出現が百兆分の1を超える出現率の鑑定額を適正であるとどうして認めることが出来よう。不適切も甚だしい鑑定額である。

 E鑑定は失当も甚だしく、不動産鑑定と云える代物では無い。鑑定書そのものを破棄されたい。

 価格出現が百兆分の1を超える出現率の鑑定評価など不動産鑑定士はするものでは無く、不動産鑑定業者はその様な不動産鑑定書を発行すべきものでは無い。

 東京都不動産鑑定士協会、日本不動産鑑定士協会連合会は、出現率百兆分の1を超える鑑定評価が横行している事を知っても、なお無視する積もりなのか。

 国土交通省の地価調査課は、地価公示価格・基準地価格を全く無視され、地価公示法8条に違反し、更地価格を求めるのに土地取引事例比較法を行わず、収益還元法の価格をベースにして開発法を行うと云う鑑定基準違反を犯し、挙げ句に出現率百兆分の1を超える出現率の鑑定評価とその鑑定書に対して、どう対処するつもりなのか。

 土地鑑定委員会は、この事実を知ってどうするのか。

 国土交通省地価調査課、土地鑑定委員会は、目をつぶるつもりなのか。

 目をつぶったら、全て許されるということになるが。今後同じものが出現しても咎める事は出来ないことになるが。それでよろしいか。

 都民の財産が甚だおかしな鑑定で不当に侵害され、甚だ安く処分されるのがあって良いものか。フェアな行為に対しては私は何も文句を云わない。アンフェアな行為に対しては、私は猛烈に抗議する。



  鑑定コラム2144)
「仰天 土地取引事例ゼロの更地の評価書」

  鑑定コラム2145)「収益還元法価格は開発法のベース価格にはならない」

  鑑定コラム2146)「固定資産税を自分で決めていて、その固定資産税が支払えない土地鑑定価格」

  鑑定コラム2147)「土地鑑定単価は土地課税単価より高い」の立証」

  鑑定コラム2148)「土地価格総額と土地公租公課総額との相関関係は大変高い」

  鑑定コラム2149)「おかしな開発法のベースとなった収益価格」

  鑑定コラム2150)「出現確率百万分の2.6の収益還元法」

  鑑定コラム2152)「東京中央区の15階建の土地価格は介在畑の課税価格よりも安い」

  鑑定コラム2153)「東京都敗訴の固定資産税の最高裁判決」

  鑑定コラム2154)「まやかしの建築工事費」

  鑑定コラム2155)「中央区晴海 平成28年1月〜6月新築マンション取引平均価格114.59万円/u」

  鑑定コラム2156)「都心3区の地価公示価格の開発法」

  鑑定コラム2159)「出現率10万分の6の開発法の鑑定価格」

  鑑定コラム2160)「こりゃダメだ 池沼の課税価格より安い17階建て共同住宅の都有地鑑定価格」

  鑑定コラム2161)「従前評価は幾らなの? 8年後支払の金額に複利はつかないの? 」

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